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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2025年6月12日 No.3686 リンケービッチ・ラトビア大統領一行と懇談

リンケービッチ大統領(左から2人目)、ヴァライニス大臣(同1人目)、
ズィルガルヴィス大使(右から1人目)、髙島副会長(同2人目)

経団連の髙島誠副会長・ヨーロッパ地域委員長、齋藤洋二同企画部会長は5月19日、東京・大手町の経団連会館で、ラトビアのエドガルス・リンケービッチ大統領ならびにヴィクトールス・ヴァライニス経済大臣一行と懇談した。ラトビア側の発言概要は次のとおり。

日ラトビア両政府は、二国間関係を戦略的パートナーシップに格上げする。これは政治面のみならず、経済面における協力の拡大にも資するだろう。国際情勢が複雑化するなかで日本との関係をさらに強化していきたい。

米国の関税政策には、EUとして懸念を持っており、予見可能性を確保すべく、米国と交渉する用意がある。同時に、他地域とのパートナーシップも拡大したい。20年以上にわたり交渉していたメルコスール(南米南部共同市場)との自由貿易協定(FTA)が間もなく締結される予定であり、太平洋地域への関心も高まっている。

ウクライナ情勢については、ロシアは停戦に関心がないようである。ラトビアは北大西洋条約機構(NATO)加盟国の一員として防衛について真剣に考えており、2026年には防衛費を対GDP比5%に増額する。防衛産業における日本との協力にも関心が高まっている。

エネルギー安全保障の観点から、ロシアからの天然ガスの輸入を停止し、25年2月にはロシアの電力網との接続を遮断した。エネルギー分野でも日本と協力する可能性があると期待している。50年カーボンニュートラル(CN)に向けたエネルギー源として、太陽光発電や風力発電に注力していく方針である。30年の完成を目指し、2ギガワット規模の洋上風力発電プロジェクト「ELWIND」を推進しているほか、水素に関するプロジェクトも複数進行中である。加えて、原子力発電の導入についても議論を始めたところであり、過去の経験も踏まえたうえで検討していく。

交通インフラについては、バルト3国を南北に縦断する鉄道プロジェクトである「レール・バルティカ」が、経済面のみならず、軍事面でも重要な意義を持つ。30年の完成を目指し、リトアニア国境からラトビアの首都リガまでの建設が始まっている。交通分野でも日本企業と協力していきたい。

【国際経済本部】

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