
ゲオルギエバ氏(左)と髙島副会長(Photo:IMF/Eric Rechsteiner)
経団連の髙島誠副会長/金融・資本市場委員長、久保田政一副会長・事務総長らは6月23日、東京・大手町の経団連会館で、国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事、ナダ・シュエイリ アジア太平洋局副局長らと懇談した。概要は次のとおり。
ゲオルギエバ氏は、「低成長・高債務の問題から、新たな貿易情勢の不透明性に至る世界経済が直面している課題について懸念している。しかし、世界経済は活動、雇用、金融情勢において顕著な回復を見せている。IMFの責任は、分断が進む世界で懸け橋となり、加盟国間のつながりを維持することである」とコメントした。加えて、「日本はIMFにとって2番目に大きい資金拠出国であり、国際経済の統合および国際協力における日本の貢献に感謝する」と述べた。
髙島副会長は、「困難な情勢下におけるIMFとゲオルギエバ氏のリーダーシップに感謝する。日本経済は総じて好調ながら足元では、米国の関税措置や、地政学的懸念が企業の投資行動の妨げとなっている。経団連としても、自由貿易等の既存の国際秩序を維持し、強化することが日本の成長につながると考えており、IMFと継続的に連携していきたい」とコメントした。
その後、米国の関税措置による不確実性の高まり、世界的な政府債務水準の上昇といった足元の課題に加え、日本経済やアジア経済の動向、自由貿易体制の方向性といった今後の課題に対する認識について、活発に意見交換した。
【経済政策本部】