経団連が事務局を務めるユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)日本協会(会長=小路明善アサヒグループホールディングス会長)は6月25日、東京・大手町の経団連会館で、今夏から世界各地のカレッジ(高校)に派遣される2025年度UWC派遣奨学生の激励会を開催した。新派遣生と保護者、小路会長をはじめ同協会役員、会員企業、島田和大卒業生会会長、派遣国・地域の大使館関係者ら53人が出席した。

小路会長は派遣生に対し、「これから皆さんが赴く世界では多様性が求められる。その世界のなかで自分を見つめ直してほしい」と述べた。加えて、自身の好きな言葉として、レイモンド・チャンドラーの小説にある「If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.(人間は強くなければ生きていけない、優しくなければ生きる資格がない)」を引用し、精神、肉体共に強いだけでなく人を思いやる優しさも持ってほしいと激励した。
続いて、派遣生が一人ずつ、支援者への感謝やカレッジ生活における抱負を述べるとともに、会員企業や同期生等と交流を深めた。
その後、激励会では初となる動画上映を行い、派遣生からの支援への感謝やUWCでの学びの意義などが参加者に届けられた。
最後に、島田氏が登壇。UWC在学中そして卒業後も先輩とのつながりを大切にしてほしいと締めくくった。
25年度の派遣生は13人。世界10カ国・地域(英国、イタリア、米国、香港、ノルウェー、インド、オランダ、ドイツ、タンザニア、日本)のカレッジで学ぶ。
【教育・自然保護本部】
UWC(本部=ロンドン)は、国際バカロレア課程に基づく教育を通じて国際感覚豊かな人材を育成する民間教育機関で、世界各国のUWC国内委員会が選考した高校生を、傘下のカレッジで2年間受け入れる。経団連は、1972年の「UWC国内委員会」(現公益社団法人ユナイテッド・ワールド・カレッジ日本協会)設立以来、グローバル人材育成の趣旨に賛同し、同会の事務局を務めている。
これまでに717人が各カレッジに派遣され、卒業後は国内外の大学を経て、大手企業、日本政府、国際機関等に就職し、幅広い分野で国際的に活躍している。
カレッジ生活を支える奨学金は、UWCの趣旨に賛同する経団連会員企業ならびに個人からの寄付金等を原資としている。賛同企業や個人からの寄付を募集しており、ぜひとも協力をお願いしたい。
詳細は、UWC日本協会のウェブサイトを参照。
https://www.keidanren.or.jp/japanese/profile/UWC/index.html