1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2026年1月8日 No.3712
  5. 今後の宇宙通信ビジネスへの展開

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年1月8日 No.3712 今後の宇宙通信ビジネスへの展開 -宇宙通信政策の観点を踏まえて

扇氏

経団連は12月5日、東京・大手町の経団連会館で「今後の宇宙通信ビジネスへの展開」に関する総務省との意見交換会を開催した。総務省国際戦略局の扇慎太郎宇宙通信政策課長から、宇宙通信政策の最新動向について説明を聴いた。説明の概要は次のとおり。

■ 衛星通信分野の動向

宇宙空間にある衛星を介して通信を行う衛星通信は、これまで発電所等の重要インフラのバックアップ通信や、離島や山間部など光回線の敷設が困難な地域での通信の確保、被災地での通信の応急復旧など、他の通信インフラでは代替困難な役割を担い、社会の安心・安全に貢献してきた。

しかしながら、衛星ダイレクト通信の登場により、既存通信網の補完的な役割だけでなく、社会経済活動を支える基盤になることが一層期待されるようになった。

カバーエリアが全国規模へと拡大するため、離島や山間部での携帯電話の利用が可能となり、今後は広大な圃場での自動運転トラクターへの活用、条件が不利な地域でドローンを用いるインフラ保全など、新たなサービスが普及する可能性が広がっている。

また低軌道衛星コンステレーションの構築に向けた動きが加速していることにより、業界再編やマルチオービット化(ネットワークの多層化)が進展し、サービスも多様化している。同時に、安全保障分野でのデュアルユースのニーズの高まり等とともに、衛星光通信の開発・活用、電波技術・地上設備など、技術の高度化も進んでいる。

宇宙通信分野は、宇宙活動のなかでも特に市場規模が大きく、かつ成長分野としての期待が大きい。

■ 総務省における宇宙通信政策の動向

総務省は、宇宙分野のうち情報通信に係る政策を担当し、これまで、世界最高水準や社会実装を目指す研究開発、電波に係る国際周波数調整や無線局の開設手続き、宇宙天気予報の運用・高度化を担ってきた。一方、足元では、宇宙通信市場の成長とさらなる拡大への期待が高まるとともに、低軌道衛星コンステレーションの登場によるグローバルプレーヤーへの依存や、衛星ダイレクト通信の普及に伴う地上網と非地上網の融合も進んでいる。

これらを踏まえ総務省は、従来の取り組みに加え、宇宙通信分野の自立性および自律性を確保していくために、国際競争力の強化を見据えた商業化支援や、経済安全保障の観点から、国内向けの衛星通信サービスやインフラの整備の支援に乗り出している。

特に商業化や技術開発支援では、宇宙戦略基金を通じ、衛星光通信を活用したデータ中継サービスの実現に向けた研究開発に加え、衛星光通信の実装を見据えた端末の開発および製造に関する調査、検討などを実施している。

また、自律性の確保のためには、令和7年度補正予算に、日本全土をカバーし、非常時にも利用可能な低軌道衛星インフラの整備事業への取り組みを盛り込んだ。

さらに今般、日本成長戦略本部の「危機管理投資」「成長投資」の17の戦略分野には、「宇宙」「情報通信」が含まれた。いかなる成長戦略が描けるかが喫緊の課題となっている。

【産業技術本部】

「2026年1月8日 No.3712」一覧はこちら