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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年2月26日 No.3719 博士人材に関する産学協議会合 報告書を公表 -博士人材が活躍する社会の実現に向けて 目指すべき姿と具体的な取り組み

経団連は2月10日、博士人材に関する産学協議会合報告書「博士人材が活躍する社会の実現に向けて~目指すべき姿と具体的な取り組み」を公表した。

経団連はこれまでも、高度専門人材の育成を重要課題と位置付け、提言の公表や産学の対話を重ねてきた。これらを踏まえ、2024年に「博士人材に関する産学協議会合」を立ち上げ、産学が真正面から向き合って集中的な議論を交わしてきた。

同会合には、経団連企業トップと大学学長が参加し、博士人材の育成・活躍が促進された将来像とその実現のための具体的な取り組みについて議論を深め、その成果を本報告書として公表した。概要は次のとおり。

■ 今なぜ博士人材の育成・活躍が求められるか

わが国は現在、社会・経済環境の急速な変化と課題の高度化・複雑化が進展しており、単一の専門性のみでは解決が難しくなっている。加えて、諸外国では博士人材が中核を担う研究開発やイノベーション創出が進展する一方、わが国では博士人材の活用が十分に進まず、国際競争力の相対的な低下が懸念されている。

人口減少が進む日本が科学技術立国として持続的に成長し、AI時代でも国際社会で価値を創出し続けるためには、高度な専門性に加え、幅広いトランスファラブルスキル(汎用的能力)を備えた博士人材が一層求められる。

本報告書は、企業と大学が協働し、これからの時代に必要とされる人材像とその人材を育成するための環境を再設計するための第一歩とするものだ。

■ 2040年に目指すべき姿と5年後の目標

40年に向け、10の目指す社会の姿を掲げている。博士人材が社会の幅広い分野で価値を創造し、持続的成長を牽引する存在と認識されている社会や、多様なバックグラウンドを持つ人材が博士課程に進み、多様で魅力的なキャリアの選択肢が広がっている社会等の実現を目指す。

40年の目指す姿の実現に向け、30年に達成すべき目標を、企業・大学・産学連携の観点から設定している(図表参照)。具体的には、博士人材を採用する企業や博士号取得者数の増加のほか、小中高生向けに好奇心や探究心を育む取り組みの拡大等を掲げている。

(図表のクリックで拡大表示)

■ 具体的な取り組み

企業は経営者自らが博士人材の活躍を進める人材戦略にコミットし、その方針を社内外に発信していく。

大学は学部段階から、博士課程修了後にアカデミア以外にも多様なキャリアパスが広がっていることを伝えるほか、高度な専門性とトランスファラブルスキルを兼ね備えた高度専門人材の育成のための教育プログラムを一層推進する。

大学と企業が連携し、4カ月以上の給与を伴うインターンシップの実施検討や、博士課程在籍中に一定期間企業で働きながら学修する教育プログラム「コーオプ教育」の実施等にも取り組む。

本報告書には、これら以外にもさまざまな取り組みを盛り込んでおり、今後の社会情勢や事業環境の変化、各企業・大学の状況を踏まえて柔軟に推進していく。具体的な取り組みに関連する参加企業・大学の事例も掲載している。

◇◇◇

今後、産学協議会合の参加企業・大学が起点となり、毎年のフォローアップを通じて実践と対話を積み重ねながら、博士人材の育成・活躍を巡る社会全体の理解と行動の変化につなげていくことを目指す。

3月7日には東京・大手町の経団連会館でシンポジウムを開催し、学生、企業、大学関係者らに本報告書の内容を広く周知する予定だ。

【教育・自然保護本部】

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