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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年4月9日 No.3725 博士人材産学協議会合シンポジウム -博士人材が活躍する社会の実現に向けて

あいさつする筒井会長

経団連(筒井義信会長)は3月7日、東京・大手町の経団連会館で「博士人材に関する産学協議会合シンポジウム」を開催した。

経団連は2024年度から2年間、大学と共に「博士人材に関する産学協議会合」を開催し、博士人材の育成・活躍促進の将来像と具体的な取り組みについて議論を重ねてきた。その成果を2月10日に報告書として公表しており(2月26日号既報)、内容を会員、学生、大学関係者等に広く共有することを目的に本シンポジウムを開催した。

会場とオンラインを合わせて約280人が参加した。概要は次のとおり。

■ 筒井会長あいさつ

筒井会長は、科学技術立国の実現には人材が最も重要であり、価値創造人材の層を厚く築く必要があると指摘。日本の博士号取得者数は諸外国に比べて低水準であり、若手研究者が挑戦できる研究環境の整備が必要と強調した。

企業には博士人材が能力を最大限発揮できる環境整備や積極的な採用が求められると述べ、本シンポジウムが学生の将来の選択肢を広げる契機となることに期待を示した。

■ 報告書の発表

小路副会長

藤井氏

経団連側座長の小路明善副会長/教育・大学改革推進委員長は、博士人材を高度なイノベーション創出や未知の探究を担う人材と位置付けることの重要性を強調した。

40年に目指すべき姿として「博士人材が社会の持続的成長を牽引する存在と認識される社会の実現」を示し、企業はそれに向けて、経営層が博士人材の活躍を人材戦略の中核に位置付けることや、責任と成果に見合った処遇の整備等に取り組むと述べた。

大学側座長の藤井輝夫国立大学協会会長(東京大学総長)は、40年を見据え、小中高段階からのキャリア教育の拡充や、社会で多様に活躍する博士人材の裾野拡大等を目標に掲げていることを説明した。

今後の具体的な取り組みとして、長期インターンシップや産学協働による大学院教育の充実などを通じ、企業と大学が共に人材を育成し、活用していくと述べた。

■ 先進的なプログラム

早稲田大学の田中愛治総長は、文部科学省卓越大学院プログラム「パワー・エネルギー・プロフェッショナル」(PEP)を紹介。このプログラムでは国内13大学、企業66社と協働し、社会実証や共同研究等を通じて研究成果の社会実装を推進していると説明した。

電気通信大学の田野俊一学長は、日本でも試行が開始されている「Industrial PhD制度」を紹介。学生が企業等に所属しながら博士研究に取り組む仕組みで、欧州では約50年前に導入され、企業の研究開発力強化等に寄与してきたと説明した。

企業からは富士通の阿萬野晋Employee Success本部長が、自社の博士人材の活躍に向けた取り組みを紹介。ジョブ型人材マネジメントのもと、多様な職種で博士人材を採用しているほか、博士号取得支援制度等を進めていると説明した。

■ パネル討議

パネル討議

味の素、SCREENホールディングス、日立製作所、みずほ証券で活躍する若手博士社員4人がパネリストとして登壇し、永田恭介国立大学協会顧問(筑波大学長)がコメンテーター、飯田香緒里東京科学大学副学長がモデレーターを務めた。

参加した学生からは、企業研究の魅力やアカデミアとの働き方の違い等について多くの質問が寄せられた。質疑応答を通じて、博士人材が企業で力を発揮している姿が示されたほか、キャリアがアカデミア以外のさまざまな分野に開かれていることが共有された。

【教育・自然保護本部】

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