楠長官
経団連は3月17日、東京・大手町の経団連会館で幹事会を開催した。警察庁の楠芳伸長官が「特殊詐欺被害の現状と被害防止のための取り組み」と題して講演した。概要は次のとおり。
刑法犯認知件数は2002年をピークに減少傾向にあったが、22年からは再び増加に転じている。
財産犯の被害額の増加も著しい。これは、警察官をかたって捜査名目で金銭をだまし取る「ニセ警察詐欺」などの特殊詐欺や、SNSを通じて投資話を持ちかけたり、恋愛感情を利用したりして金銭をだまし取る「SNS型投資・ロマンス詐欺」などの被害が急拡大しているためだ。
特殊詐欺等には、匿名・流動型犯罪グループが深く関与している。匿名・流動型犯罪グループとは、犯罪により収益を吸い上げる中核部分は匿名化されており、かつ、末端の実行犯はSNSでその都度募集して、いわば「使い捨て」にするなど、流動的な性質を持つ犯罪グループを指す。
警察庁は、匿名・流動型犯罪グループに係る情報の集約や分析を強化しており、政府全体でも対策を推進している。
詐欺被害に遭わないよう、国民一人ひとりが注意することも重要だ。特殊詐欺には国際電話が利用されることが多いことから、警察庁は、国際電話の利用休止の申し込みを呼びかけて被害を抑止する運動「みんなでとめよう!!国際電話詐欺#みんとめ」を展開している。
関連して、特殊詐欺で使われている電話番号からの着信をブロックするなど、被害防止に有効なアプリを「警察庁推奨アプリ」と認定し、利用拡大を図っている。
警察庁ウェブサイトや公式SNS等でも、特殊詐欺等に関する最新の手口や、前述のような対策などの情報を発信している。
詐欺は高齢者が被害に遭うものという印象があるかもしれないが、最近は現役世代にも被害が拡大している。社員をはじめとするステークホルダーを詐欺被害から守るため、詐欺被害の実態や被害防止対策の周知等に、経済界の協力をぜひお願いしたい。
【総務本部】
