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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年4月16日 No.3726 提言 税・財政・社会保障一体改革に関する基本的考え方 -投資牽引型経済の実現による成長と分配の好循環

経団連(筒井義信会長)は「FUTURE DESIGN 2040」(FD2040、2024年12月公表)で、マクロ経済運営と全世代型社会保障の目指すべき姿を示した。実現に向けたロードマップの一環として、高市政権下での経済財政運営転換と社会保障国民会議設置の機会を捉え、26年4月14日、提言「税・財政・社会保障一体改革に関する基本的考え方~投資牽引型経済の実現による成長と分配の好循環」を公表した。概要は次のとおり。

■ 一体改革の全体像

長らく低迷してきた日本経済は、転換期を迎えている。「成長と分配の好循環、分厚い中間層の形成」を加速し、拡大させる起点は、企業が成長志向へマインドセットを転換し、積極的に投資することにある。

この「投資牽引型経済」の実現は、財政健全化への寄与を通じ、財政・社会保障制度の持続性を高めることにもつながる。

政府が一体改革を推進することにより、少子高齢化・人口減少に直面するわが国に、公正・公平で持続可能な税・社会保障制度を構築することも重要だ。

加えて、国民には、制度の正しい理解等が期待される。

このように、企業、政府、国民がそれぞれの役割を果たし、その相互作用で税・財政・社会保障一体改革が実現する(図表参照)。

(図表のクリックで拡大表示)

■ 経済財政運営のあり方

投資牽引型経済の実現につながる経済財政運営の確立に向け、財政の持続可能性と市場の信認維持に向けた財政健全化目標の設定や、予算編成のあり方の見直しが不可欠だ。

財政健全化目標としては、債務残高対GDP比を安定的・継続的に引き下げていくことが重要となる。あわせて、複眼的な視点で財政状況をモニタリングする観点から、3年程度といった複数年度の平均値が均衡することを念頭にプライマリーバランスを毎年確認するとともに、利払い費の推移も注視すべきだ。

市場の信認維持等の観点からは、独立財政機関の設置も検討すべきだ。

官民連携のダイナミックな経済財政運営の考え方のもと、政府には、長期計画的な投資や規制改革等により民間の予見性を高めることで、投資環境を改善させる役割が期待される。

予算編成については、「歳出の目安」に基づく予算シーリングを見直したうえで、中長期計画に基づいて複数年度の予算を定めるなど、必要な政策に対する当初予算での措置が必要だ。

■ 国民会議での考え方

国民会議は、中長期の給付と負担の見通しを示すことを通じて、広く国民の理解を得て、ビジョンを共有することが不可欠だ。

給付付き税額控除は、現役世代の中・低所得者の負担軽減を目指し、まずは勤労世代を対象に税・社会保険料の一部に相当する額を給付するなど、簡素な形で早期に導入すべきだ。そのうえで、マイナンバーを徹底活用し、段階的に制度を精緻化していくことが考えられる。

飲食料品の消費税減税に当たっては、消費税が社会保障制度を支える重要な安定財源であることを踏まえ、代替財源の明確化が大前提だ。なお、財源の検討では、企業の国際競争力の観点を踏まえることが必要だ。

その他、医療・介護の提供体制やデジタルトランスフォーメーション(DX)、攻めの予防医療等についても、国民会議で早期に検討すべきだ。

◇◇◇

経団連は、あるべき改革の実現に向けて今後も提言していくとともに、企業のマインドセットを転換し、「投資牽引型経済の実現による成長と分配の好循環」を加速・拡大させるべく取り組む。

【経済政策本部】

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