経団連の災害復興特別委員会(筒井義信委員長、冨田哲郎委員長)は、東日本大震災の被災地の現状や課題を把握するため、継続的に被災地を視察している。
東日本大震災の発生から15年の節目を迎えた2026年は、4月9日から10日にかけて、筒井会長・同委員長、冨田審議員会議長・同委員長を団長として、永野毅副会長、遠藤信博副会長、永井浩二副会長、兵頭誠之副会長、吉田憲一郎副会長、秋池玲子審議員会副議長らが福島県を訪問した。概要は次のとおり。
内堀知事と意見交換
■ 知事との意見交換
福島県庁を訪問し、内堀雅雄知事と復興の現状や今後の課題を巡り意見交換を行った。
内堀知事は「震災から15年が経過するなか、『風化』『風評』という逆風を克服し、観光振興などによる新しい『しあわせの風』を吹かせたい」とあいさつした。
筒井会長は「被災地の状況やニーズを把握し、効果的な復興支援や産業振興の道筋を共に見いだしたい」と応じた。
経団連の参加者からは「外からの『風』と、地域に根差した『土』を合わせて、風土はつくられる」といった発言があった。
■ 浪江町
津波の直撃を受けた県内唯一の震災遺構である浪江町立請戸小学校を訪問した。剝がれた天井や壁などから津波の痕跡をたどった。
小学校の児童や教職員が津波を逃れて避難した大平山を訪れ、震災当日の避難の様子などを聴いた。
■ 福島第一原子力発電所
福島第一原子力発電所
東京電力福島第一原子力発電所では、1~4号機の原子炉建屋等を見学した。
小早川智明東京電力ホールディングス社長から、放射性物質の飛散を防止する1号機大型カバーの設置工事が26年1月に完了したことなど、現在の作業状況について説明を受けた。
51年の廃炉完了を目標とする取り組みは着実に進展しているが、多核種除去設備(ALPS)処理水の海洋放出に係る風評の払拭など、丁寧な情報発信による社会的な理解の一層の促進が不可欠であることが再確認された。
■ 復興を遂げた施設
復興を遂げ、被災地の魅力向上に取り組む施設も視察した。
ナショナルトレーニングセンターJヴィレッジは、震災直後から約8年にわたり原子力発電所事故収束対応の拠点となり、19年にスポーツを起点とした地域振興の拠点として全面再開を果たした。
ふくしま海洋科学館(アクアマリンふくしま)は、津波や停電により約9割の生物を失いながらも4カ月後には営業を再開した。「地域と共に歩む水族館」を目指し、定着してきている。
■ F-REIと懇談
福島国際研究教育機構(F-REI)の山崎光悦理事長をはじめ、機構の幹部らと懇談した。
F-REIは、創造的復興の中核拠点となるべく研究開発や人材育成に取り組んでいる。
山崎氏は「浜通りを“常磐カリフォルニア”と呼ばせたい」と意気込みを語った。
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経団連は、今般の福島県訪問も踏まえ、国や自治体との連携のもと、被災地の復旧・復興に向けた取り組みを支援する。激甚化・頻発化する災害に備えるための防災・減災対策の推進にも取り組んでいく。
【ソーシャル・コミュニケーション本部】
