経団連は4月23日、東京・大手町の経団連会館で、環境委員会環境リスク対策部会(中島一宗部会長)を開催した。
環境省の鈴木清彦環境汚染対策室長から土壌汚染対策法(土対法)の見直しに係る検討状況について、西川絢子海域環境管理室長から第10次水質総量削減の見直しの方向性について、それぞれ説明を聴くとともに意見交換した。
日本フルオロケミカルプロダクト協議会の石川淳一代表委員からは、EUにおけるPFAS(注1)規制の検討状況に関する情報共有と、パブリックコメント提出の呼びかけがあった。
概要は次のとおり。
■ 鈴木氏
土対法は、有害物質使用特定施設の使用を廃止した場合など、所定の契機が生じた際に土壌調査を行い、汚染が確認された場合は区域指定を行うとともに汚染土壌を区域外に搬出すること等を規制している。
2017年に改正された法律の施行から5年が経過したことを機に、中央環境審議会で土対法の点検と見直しの検討を開始し、26年2月に中間取りまとめを公表した。
そのなかで、土壌汚染状況に係る情報の散逸を防止するため、情報を把握する機会を新設することや、汚染原因者への費用求償に関し、これまでの汚染の除去費用のみならず土壌調査費用も求償可能とすることなどを検討している。
土壌汚染に伴う健康リスクに応じた必要かつ合理的な管理を図るため、工場等として使用を続ける場合の調査等に関する特例を設けること、自然由来重金属を含有する土地では土地の形質変更を届け出の対象外とすること、現行法に規定がない汚染土壌の仮置きの明文化なども検討している。
■ 西川氏
水質総量削減制度は、人口・産業が集中する広域的な閉鎖性海域(注2)の汚濁負荷量を削減する制度だ。第9次総量削減から第10次への移行に際し、26年1月に専門委員会の報告書がまとめられた。
大きな変更点は、水質総量「削減」制度から水質総量「管理」制度への転換だ。全体的に水質が改善する一方、一部地域で栄養塩類の不足等が指摘されている。
水質総量管理制度に転換されることで、地域のニーズに応じた栄養塩類の増加措置が可能となる。今後は海域ごとのきめ細かな水環境管理を図っていく。国の基本方針のもと都府県が計画を策定して目標量に基づいた進捗を管理する総量削減の基本的枠組みは維持する。
21年改正の瀬戸内海環境保全特別措置法により瀬戸内海では、東京湾および伊勢湾に先駆けて栄養塩類管理制度を導入している。その効果や課題に関する知見を、今後の水質総量削減制度の見直しに生かしていく。
■ 石川氏
23年、ドイツ等の欧州5カ国がPFASの包括的規制案を欧州化学品庁(ECHA)に提出した。
規制案はストックホルム条約で規制されている一部の特定PFASのみならず、科学的に有害性が確認されていない物質を含む全てのPFASを対象としている。
現在、規制案における例外措置の根拠となる社会経済性評価に関し、パブリックコメントが公募されている(5月25日に締め切り済み)。
PFASは化学的安定性があり代替が困難なため、幅広い産業で利用されている。規制による社会経済への影響は大きい。規制案に対する意見を提出する最後の機会となるので、ぜひ提出を検討してほしい。
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経団連は5月22日、「EUにおけるPFAS規制案へのコメント」を提出し、公表した。
(注1)フッ素化メチレン基(CF2)またはフッ素化メチル基(CF3)を構造に含む有機フッ素化合物
(注2)指定水域は、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海(大阪湾含む)。指定地域内の特定事業場のうち、日平均排水量が一定規模以上の事業場に対して総量規制基準が適用される
【環境エネルギー本部】
