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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年6月11日 No.3732 オコンジョ=イウェアラWTO事務局長と懇談 -有志国の取り組みも含めたWTO改革を推進

オコンジョ=イウェアラ氏(右から2人目)、筒井会長(同3人目)

経団連の筒井義信会長、兵頭誠之副会長・通商政策委員長、磯野裕之同委員長は5月20日、東京・大手町の経団連会館で、世界貿易機関(WTO)のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長と懇談した。オコンジョ=イウェアラ氏の発言概要は次のとおり。

経団連の皆さまと再びご一緒できることを大変うれしく思う。筒井会長が2025年10月に初の海外ミッションの訪問先としてスイス・ジュネーブを選ばれたことは、経団連が多国間主義をいかに重視しているかを示す極めて重要なメッセージとなった。

現地で「『WTO2.0』の構築に向けて~WTO改革に関する提言」を頂戴したこと(25年11月20日号既報)に重ねて謝意を表したい。

3月末にカメルーンで開催された第14回WTO閣僚会議(MC14)では、「電子商取引に関する協定」について、WTO協定への組み込みが実現するまでの間、有志国の間で実施する暫定的な措置(注1)が採択された。これは大きな成果であり、日本が共同議長国として主導的な役割を果たした。

電子商取引関税不賦課モラトリアム(注2)は合意に至らず、依然としてブラジル一国の反対が大きな障害となっている。モラトリアムは全てのビジネスにとって利益となるものだ。民間からの積極的な働きかけを期待する。

WTO改革も引き続き進めていく。急速な状況変化に迅速に対応するためには、意思決定方式の見直しが求められる。将来的には、有志国によるプルリラテラルな取り組みによるルール形成が進められていく可能性がある。

イラン情勢やホルムズ海峡問題に見られる地政学リスクは、世界貿易に深刻な影響を及ぼしている。今回、WTO加盟国が打ち出した78の貿易措置のうち約7割が貿易円滑化に向けた措置である点は評価できるが、貿易制限的な措置も約3割存在する。是正を働きかけていく必要がある。

将来起こり得るリスクに備え「強靭性」や「持続可能性」に加え、「堅牢性」という視点を持ち、先取りして対応することも重要だ。

中東情勢に加え、国際貿易では補助金や過剰生産の問題も指摘されている。WTOでは公平な競争条件についても議論していくことが重要だ。

AIの重要性も近年飛躍的に高まっている。AIにより40年までに貿易は40%拡大する可能性があるが、その恩恵を世界全体で共有するためには、適切なガバナンス構築とともに、途上国の能力醸成が必要不可欠だ。そのためには、電力や通信環境といったインフラ整備を含め、日本を含めた国際的な協力が求められる。

国際貿易体制が大きな転換点にあるなか、産業界の積極的な関与はこれまで以上に不可欠だ。引き続き経団連のWTOへの支援を期待する。

(注1)デジタル貿易に係る共通ルールに関する協定。MC14のサイドイベントで日本を含む66カ国のWTO加盟国は電子商取引の受諾に必要な国内手続きを進め、同協定の実施を目指すこととなった

(注2)電子的送信に関税を賦課しない慣行。MC14では、ブラジル等一部の国との間で延長の合意がまとまらず、1998年以降続いていた慣行が初めて失効した

【国際経済本部】

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