コーニン議員
(画像:同議員ウェブサイト)
カシディ議員
(画像:同議員ウェブサイト)
5月26日、テキサス州連邦上院共和党予備選決選投票で、現職のジョン・コーニン上院議員がケン・パクストン州司法長官に敗れた。前週にトランプ大統領がパクストン長官支持を表明した直後で、27ポイント差という大敗だった。
コーニン議員の他にもトランプ大統領の反対によって引退に追い込まれた共和党上院議員が2人いる。
トム・ティリス上院議員(ノースカロライナ州)は、2025年にトランプ大統領が予備選対立候補を支持する意向を示したことを受け、不出馬を表明した。
ビル・カシディ上院議員(ルイジアナ州)はトランプ大統領が支持した対立候補に敗れただけでなく、3位に沈み決選投票にも進出できなかった。
ティリス議員は25年の予算調整法案に反対票を投じ、カシディ議員は21年のトランプ大統領弾劾裁判で有罪票を投じたことでそれぞれトランプ大統領の怒りを買っていた。
すでに3人の現職上院議員排斥に成功したことはトランプ大統領の共和党内の影響力の強さの表れと取れる。しかし直近での連邦議会への影響力については、マイナス効果があることも考えられる。予備選に敗れた議員は26年末までは任期が残っている。
この3上院議員については、トランプ大統領の政治的脅しがもはや通用しないだけでなく、トランプ大統領に対して恨みを抱くことになる。11月の中間選挙後にトランプ大統領の求心力が低下するとの見方は多いが、11月を待たずに影響は出始めている。
ティリス議員は引退表明後、ジェローム・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)前議長の司法省捜査を批判し、カシディ議員は予備選後に対イラン武力行使制限賛成に回った。
上院の共和党議員は53人だが、トランプ大統領に必ずしも従わない中道派議員が他にも2~3人いることを考えると、僅差の下院同様、上院における過半数支持も予断を許さない状況となる可能性がある。
コーニン議員はこれまでトランプ大統領と直接対立した事例はなく、同僚議員からも政治家としての評価は高い。そんな彼でも標的になったことで他の共和党議員も動揺している。
トランプ大統領の自らの党内への影響力を誇示する行為が、皮肉にも連邦議会での影響力や政策アジェンダの妨げとなるリスクとなっている。
【米国事務所】
