オコンジョ=イウェアラ氏(右から2人目)、ジョンストン氏(同3人目)
経済協力開発機構(OECD)は6月3、4の両日、フランス・パリでOECD閣僚理事会を開催した。経団連およびOECDの公式諮問機関である経済産業諮問委員会(BIAC)の代表として、稲垣精二審議員会副議長・OECD諮問委員長が参加した。
■ 閣僚理事会の概要
セッションは「開かれた市場、成長、繁栄のための適切な産業政策の実現」をテーマに、2日間にわたって実施された。
産業政策の目標とインパクトのバランス、より良い規制、デジタル、開かれた公正な貿易、投資・開発などに関し、世界各国の政府代表や国際機関の代表が活発に議論した。
■ 産業政策に関し発言
稲垣副議長
稲垣副議長はBIAC代表として、閣僚理事会前日に開催されたサイドイベント「産業政策を正しく実施する~経済調査からの示唆」に登壇した。
中東情勢により不確実性が増すなか、産業政策が機能するための条件として、(1)明確なミッションの設定(2)政策の一貫性(3)予見可能性の確保(4)証拠に基づく政策立案(EBPM)による評価(5)ガバナンスの強化で民間参加を促す設計――を挙げ、その重要性を強調した。
現下の地政学的環境におけるOECDの役割として、適切に運営された産業政策の実例を共有しやすくし、各国が互いに学び合い、質を継続的に高めることが重要とも主張した。
閣僚理事会の各セッションでは、BIACが閣僚理事会に向けて事前に公表した提言書「開放的な市場と成長・繁栄のための適切な産業政策のあり方」の主張をベースに、リック・ジョンストンBIAC会長をはじめ、OECD加盟国の経済界代表が発言した。
■ WTO事務局長と懇談
稲垣副議長は閣僚理事会の機会を捉え、世界貿易機関(WTO)のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長とも面談した。今般の中東情勢の影響やサプライチェーン上の課題、WTO改革の方向性などについて意見を交わした。
◇◇◇
閣僚理事会の成果文書として発出された議長声明では、適切な産業政策の実施のため、透明性のあるルールの整備や国際協調におけるOECDの役割が強調された。
次回の閣僚理事会は2027年、フランス・パリで開催される予定。
経団連は引き続き、BIACへの参画を通じて、OECDの政策議論に日本経済界の意見を反映させるよう努めていく。
【国際経済本部】
