石川氏
スタートアップは、高市政権の日本成長戦略会議で示された分野横断的課題の一つに位置付けられている。同会議のもとに設置されたスタートアップ政策推進分科会では、2026年5月、「スタートアップ育成5か年計画」を強化するための「スタートアップ総力創出パッケージ」がまとめられた。
そこで経団連は6月26日、東京・大手町の経団連会館で、経済産業省の石川浩イノベーション創出新事業推進課長から、前述のパッケージの概要や最近のスタートアップ政策について、説明を聴くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。
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日本のスタートアップエコシステムは着実に発展しているが、ユニコーン数などの指標は目標に達していない。今後はスタートアップのスケールアップや大規模な資金調達の創出が課題だ。
スタートアップ政策推進分科会では、5か年計画を強化すべく、スタートアップ総力創出パッケージをまとめた。
パッケージの第一の柱は、スケールアップに向け、M&Aを含む多様なエグジットを確保し、海外からの投資も含めて資金と人材の循環を活性化することだ。
第二の柱は、ディープテックスタートアップへの支援強化だ。社会実装の段階で壁に直面する企業が多いため、初期需要の創出に向けて政府調達の活用を強化する。
第三の柱は、地域の経済社会を担うスタートアップの創出・育成だ。大学・高等専門学校発スタートアップの創出強化や、地方自治体での随意契約の活用によるスタートアップ調達の強化を進める。
目玉施策は、SBIR(Small/Startup Business Innovation Research)制度の抜本強化による、政府および大企業の調達加速だ。本格調達を前提に政府が必要なスペックを明示し、研究開発から試験導入・運用までを一貫して支援する。防衛分野での導入を推進するとともに、他の省庁にも広げていく。
政府調達では、スタートアップの資金的負担となる後払いや契約保証金などについて、概算払いや前払いの活用、契約保証金の免除といった省庁統一的な運用指針を策定する予定だ。
委託型事業を増やし、売り上げのトップラインも伸ばしていく。大企業による調達の加速に向け、スタートアップの製品・サービスを初期導入する際の支援も行う。
M&Aを活性化すべく、売り手・買い手の双方に向けて「スタートアップM&Aガイダンス」を公表した。売り手側には、新規株式公開(IPO)とM&Aの双方を見据えたデュアルトラック経営の重要性を、買い手側には、スタートアップのM&Aを経営戦略に位置付けることの重要性や実務上の留意点などを示している。
スタートアップ買収の際には、オープンイノベーション促進税制M&A型も活用してほしい。この税制は27年度末まで2年間延長し、50%以下の発行済株式を取得するマイノリティ取引も対象とすることとした。
26年10月にはディープテックをテーマに「Global Startup Expo 2026」を25年に引き続き大阪で開催する予定だ。25年同様、海外投資家の誘致につなげたい。
【産業技術本部】
