ベクテノフ首相(右)と橋本委員長
(提供:在カザフスタン日本大使館)
経団連の日本・中央アジア・コーカサス経済委員会(橋本剛委員長)は7月6~10日、橋本委員長を団長とするミッションを、ウズベキスタンのタシケントとカザフスタンのアスタナに派遣した。
ウズベキスタンは人口増加が続く親日国であり、カザフスタンは1人当たりGDPが1万ドルを超える高い購買力を持つ国だ。
ミッションでは、カザフスタンのオルジャス・ベクテノフ首相をはじめ、両国の政府要人や経済団体関係者らと懇談した。各懇談の概要は次のとおり。
■ IT変革のウズベク
ジュラベック・ミルゾマフムードフ エネルギー大臣(当時)との懇談では、日本との戦略的パートナーシップの進展に加え、日本の技術・設備、金融支援、人材育成がウズベキスタンの発展に果たしてきた役割について、高い評価と期待が示された。
大統領の指導のもとで改革が進み、外国投資を受け入れる環境が整いつつあり、日本企業による投資参画の例が増えていることも示された。
今後の重点分野として、グリーンエネルギー、省エネルギー、エネルギー安全保障、水素などが挙げられた。輸出した機械類の保守・サービス機能の現地化や、人材交流を進めたいとの意向も示された。
ミルゾマフムードフ大臣からは、具体的な案件リストをウズベキスタン側と日本企業の間で共有したいとの提案があり、今後のプロジェクトの具体化が期待される面談となった。
イルザット・カシモフ投資産業貿易副大臣との懇談では、日本企業の高い技術力、品質、長期的な事業姿勢が評価され、ウズベキスタンの産業発展に欠かせない重要なパートナーとの認識が示された。政府が経済改革を進め、経済特区の整備などにも取り組んでいるとの説明もあった。
今後は人材育成と輸出志向型事業を組み合わせた長期的な協力を、ITを含むさまざまな分野で拡大したいとの意向が示された。
日本側がビジネス遂行上の諸課題を提示したところ、カシモフ副大臣は「当省が窓口となり、関係機関との調整や案件ごとの障害解消に取り組む」と回答した。
■ 産業高度化のカザフ
ベクテノフ首相との懇談では、カザフスタンが政治・経済の両面で改革を進め、「公正で進歩的な国家」の実現を目指しているとの説明があった。
ベクテノフ首相は日本との関係を重視し、近年の貿易・投資や協力案件の拡大を評価するとともに、重要鉱物、エネルギー、デジタルなど幅広い分野で、日本からの投資が長期的に経済の競争力向上につながることに期待を示した。
日本側は、インフラ開発、デジタル基盤の整備、IT人材育成における協力を提案した。これに対しベクテノフ首相は、特にデジタル分野で協力の余地が大きいとの認識を示した。
エルサイン・ナガスパエフ産業・建設大臣との懇談では、日本との関係が戦略的なものと位置付けられ、産業分野での投資や共同事業が着実に拡大しているとの評価が示された。
ナガスパエフ大臣は、重要鉱物を今後の協力の柱とし、多様な鉱物資源の対日供給、加工、関連設備・技術の導入を進めたいと表明した。
日本側は、環境に配慮した資源開発、産業・物流基盤、人材育成、脱炭素技術での協力を提案した。これに対しナガスパエフ大臣は、具体的案件への情報提供と実務支援を行い、新たな事業形成につなげたいと応じた。
【国際経済本部】
