経団連自然保護協議会(西澤敬二会長)は9月17日、NGO活動成果報告会の第126回会合をオンラインで開催した。
報告会では、経団連自然保護基金が助成したNGOから活動の進捗や成果について説明を聴き、意見交換を行っている。寄付者への報告の場、企業とNGOの協働を促進するきっかけづくりの場と位置付けている。
登壇した2団体の説明の概要は次のとおり。
■ 水・環境ネット東北
広瀬川上流新川でのヤマメの産卵観察会(提供:水・環境ネット東北)
当法人は「仙台杜と水の都構想を加速させるネイチャーポジティブの取り組みネットワークの構築」と題し、広瀬川(注1)中流域にある幹線水路「愛宕堰」の整備や保全活動を行っている。
広瀬川水系は多くの保全・環境学習団体が活動する地域だが、高齢化や少人数化、メンバーの固定化が進んでいた。
そこで複数の活動団体やプロジェクト、大学の研究室を含む流域活動プラットフォームを構築し、これらの課題を改善した。仙台に支社を置く企業とも連携し、観察に加えてフライフィッシングや魚の塩焼きなどの体験を取り入れたイベントを開催した。
活動1年目には2カ所を自然共生サイト(注2)に登録し、2026年度はさらに1カ所の登録を目指している。愛宕堰はアユやサクラマスの遡上の障壁となっているため、簡易魚道を設置し、生態系機能の向上を目指す。
■ 日本鳥類保護連盟
絶滅危惧Ⅱ類指定の猛禽類サシバ
(提供:日本鳥類保護連盟)
当連盟は「フィリピンにおける猛禽類の保全活動を通じた環境教育の展開」と題し、現地で密猟対策や子どもたちへの啓発、森林再生のための植樹に取り組むサシバの保護団体に対し、活動への協力や支援を行っている。
活動対象地域の一つであるヌエバビスカヤ州は、日本に飛来するサシバなどの渡り鳥の中継地や越冬地だが、密猟が問題となっている。そこで、ヌエバビスカヤ州立大学と共同で調査し、地域全体で保全に対する啓発活動を行っている。
調査の結果、渡り性猛禽類の通過ルートや個体数が判明した。今後、この情報を風力発電所の建設地の検討などに役立てることを目指している。
(注1)奥羽山脈と仙台の都市部をつなぐ川
(注2)「仙台八木山里山ビオトープ」および「仙台市沿岸 カントリーパーク新浜のビオトープと水田」
