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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 週刊 経団連タイムス 2018年7月19日 No.3370 企業がSDGs達成に真に貢献するための視座について聞く -企業行動・CSR委員会

経団連は6月26日、東京・大手町の経団連会館で企業行動・CSR委員会(三宅占二委員長、二宮雅也委員長、津賀一宏委員長)を開催した。国連のSDGs(持続可能な開発目標)採択から約3年が経過し、各企業での取り組みが進むなか、企業がSDGs達成に真に貢献するために必要な視座について、日本総合研究所の足達英一郎理事から説明を聞くとともに、意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

企業におけるSDGs推進の3つの悩み

経団連の企業行動憲章および実行の手引きの改定を契機に、各企業はSDGs達成に向けて取り組んでいる。そうしたなか、多くの担当者が直面している課題は、(1)SDGsへの取り組みはCSR担当部署が行うものとされ、社内浸透が進まないこと(2)SDGsと経営・事業との統合が図れないでいること(3)1社だけでは対応困難な課題にもかかわらず、自前主義の壁を打ち破れない状況にあること――の3つに集約できる。

社内浸透

SDGsの各目標を日本における身近な課題に置き換えて解釈することも有効ではないか。例えば、海外、特に途上国の課題ととらえられがちな貧困を、日本における「子どもの貧困」に置き換えることだ。こうした解釈が個社では困難であれば、経団連が取りまとめることも一考である。

また、社会的課題の解決を担うのは政府だけでよいのか、トップから社員に語ってもらう必要もある。イノベーションの必要性とSDGsとをセットで説明したうえで自社の将来像を示し、創業の志に立ち返って「何のためにわれわれはあるのか」という問いに向き合ってもらう。

さらに、仕事以外でSDGsに触れる機会も有用かもしれない。例えば、文部科学省の新学習指導要領には「持続可能な社会」に関する内容があり、今後児童・生徒たちは学校教育を通じてSDGsに関する素地を持つようになる。彼らに接するなかで、われわれはおのずと、どのような解決策・導きを示せるかが問われるようになる。

経営・事業との統合

SDGsという大目標を達成するには、本業でSDGsを位置づける必要がある。そのためには、CSR担当部署に加え、経営企画、技術開発、新規事業開発などの部署の参画も必須である。その際、自社の事業をSDGsの各目標にマッピングするだけではなく、課題解決のために自社は何ができるか思考する段階に移らなければ、経営・事業との統合はできないだろう。そのためには、短期的な業績から離れて、中長期的に将来を考察しなければならない。

自前主義の壁の打開

すべてを自社でまかなう必要はなく、知見がない部分、リスクが取れない部分は外部のパートナーとの連携が重要である。現地機関・NGO・政府機関・地方自治体・大学などと組むことで、取り組みの幅とその効果の拡大が期待できる。

◇◇◇

貧困や紛争、異常気象や災害・感染症が頻発する状況下では、ビジネス展開は困難である。「健全な社会と地球なくして、健全なビジネスは成り立たない」という認識があれば、企業活動でSDGsを目指す意識がおのずと芽生えるだろう。その際には借りものの言葉に頼らず、各社が自ら考え・行動することが極めて重要である。

【SDGs本部】

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