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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年7月18日 No.3416 パルムラン・スイス経済・教育・研究相、カレル・スイス経団連会長との懇談会を開催

左から篠原副会長、パルムラン経済・教育・研究相、
越智副会長、カレル会長、佐藤委員長

経団連は7月8日、東京・大手町の経団連会館で、スイスのギー・パルムラン経済・教育・研究大臣およびハインツ・カレル・スイス経団連会長一行との懇談会を開催した。

経団連からは、越智仁副会長・ヨーロッパ地域委員長、篠原弘道副会長、佐藤義雄ヨーロッパ地域委員長らが出席し、自由で開かれた国際経済秩序の維持・強化やデジタル変革への対応について議論を行った。パルムラン大臣、カレル会長の発言の概要は次のとおり。

■ パルムラン経済・教育・研究相

日本とスイスは長年にわたり良好な関係を有しており、2014年に外交関係樹立150周年を迎えた。スイス企業の一部は100年以上も前から日本に進出している。

近年、両国は多様な分野で貿易を行っており、貿易量の伸び率は10%以上である。金を除けば、スイスにとって日本はアジアで第2位、世界で第7位の貿易相手国である。

スイスは輸出立国であるため、WTO(世界貿易機関)の強化や日本・スイス経済連携協定(EPA)の改正を通じて、日本と協力しながらルールに基づく自由貿易を促進したい。

■ カレル会長

09年に日スイスEPAが発効してから、両国間では貿易量や対外直接投資が増加している。両国の企業の進出により、スイス企業は日本で3万5000人、日本企業はスイスで1万人以上の雇用を創出し、後者はさらに増加する見込みである。

一方、今年2月に発効した日EU EPAは日スイスEPAより広範なものであり、スイスの企業が日本市場で不利になることを懸念している。

世界で保護主義が台頭するなかで、日スイスEPAをより包括的なものに改正すれば、両国間の貿易量や対外直接投資が増加するとともに、イノベーションの分野でも企業の協力を進められる。日スイスEPAの発効時と同様に、経団連には改正作業に向けて支援してほしい。

■ 懇談

(日スイスEPA)
スイス側から、日スイスEPAが日EU EPAより不利な点として「農産品の輸出、原産地規則、政府調達などの分野があり、スイス経済界として見直しを求めたい」との発言があった。

(知的財産権)
スイス側から、日本企業が開発した医薬品がスイスで活用された例を挙げ、「両国のイノベーション協力を進めるために、知的財産権の保護が重要である」との発言があった。

(デジタル社会)
日本側から、「デジタル技術と人間の想像力・創造力を組み合わせて実現する社会『Society 5.0』では、社会全体でのデータの活用が最重要である」と発言した。これに対してスイス側は、「データの活用により経済が成長する一方で、高度な技術を保有する人材が不足している」と課題を指摘した。そのうえで、「デジタル化により雇用が失われても、新しい仕事が創出されるよう、政府、教育機関、企業が協力すべきである。経団連と経験を共有したい」と呼びかけた。

【国際経済本部】

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