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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年10月10日 No.3426 ドリア・サンパウロ州知事との懇談会を開催 -日本からのさらなる投資に期待

説明するドリア州知事(左)と
サボイア駐日大使

経団連の日本ブラジル経済委員会企画部会(大前孝雄部会長)は9月20日、東京・大手町の経団連会館でブラジル・サンパウロ州のジョアン・ドリア州知事との懇談会を開催し、サンパウロ州の経済情勢や民営化への取り組み、投資誘致のためのインセンティブ等の説明を聞き、意見交換を行った。サンパウロ州政府から国際関係局長、財務・企画局長、農務局長等の関係者らも出席した。概要は次のとおり。

■ サンパウロ州の経済情勢

ブラジルでは財政や年金改革などマクロ経済安定化の施策が進んでおり、これに伴いGDP成長率も今後1.5~2%ほど上昇することが見込まれている。サンパウロ州の成長率はブラジル全体よりも高く、最終的には3.5~4%の成長を目指したい。

そのためにサンパウロ州政府は自由で開放的な経済施策を進め、海外からの投資誘致やビジネス機会創出に取り組む。とりわけ日伯両国は歴史的にも深いつながりを持ち、サンパウロ州の日系人は約170万人に上るため、日本からのさらなる投資を呼び込みたい。すでにブラジルへの進出日本企業の総拠点数は700カ所を上回り、そのうち70%以上がサンパウロ州に立地している。

また、サンパウロ州では人的交流をさらに促進するため、観光客誘致のキャンペーンを11月から実施する。

■ 民営化への取り組み

サンパウロ州では、都市交通、空港、鉄道、道路、水路、港湾等を中心にさまざまな官民連携のプロジェクトに取り組んでいる。具体的には、人口の集中する工業団地とサンパウロ市をつなぐ鉄道の建設や地下鉄の整備、港湾および地方空港のコンセッションがあり、総額約130億ドルの投資が見込まれている。

とりわけ、サンパウロ市の都市交通量は道路と地下鉄の合計で年間20億人に上り、インフラの整備・拡張を進めている。インフラ整備は日本企業の得意分野であり、サンパウロ州への投資を期待する。

■ 投資誘致策

サンパウロ州では、工業団地ごとに特定の産業分野を定めてインフラ整備や労働者育成を図ることで投資誘致を行っている。これにより、地域ごとに産業分野が集約されることで各業界の成長が可能となり、工業団地自体の開発も進むことが期待される。技術開発への支援にも注力しており、企業とサンパウロ大学の連携による研究開発が盛んに進められている。

【国際協力本部】

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