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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年10月24日 No.3428 アジア太平洋地域の社会課題解決への取り組みと支援について聞く -企業行動・SDGs委員会経団連1%クラブ

左からキジナー氏、ガルヨス氏、濱川(明)氏、濱川(知)氏

経団連1%クラブ(山ノ川実夏座長、岩﨑三枝子座長)は10月9日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催した。アジア太平洋地域において社会課題を解決し変革の担い手となる「インパクト・ヒーロー」を支援しているEarth Companyの共同創設者である濱川明日香氏、濱川知宏氏から同団体の活動について説明を聞いた。また、インパクト・ヒーローとして支援を受けた2名の社会起業家から、SDGs(持続可能な開発目標)の各目標を踏まえつつ、現地の社会課題とその解決に向けた取り組みについて活動報告があった。概要は次のとおり。

■ Earth Companyの活動

われわれのビジョンは、次世代に残せる未来を創出することである。その一環としてインパクト・ヒーロー支援事業では、変革力のある人材の活動をファンドレイジング、マーケティング、マネジメントの各側面から支援する。インパクト・ヒーローの選定は1年につき1人に絞り、3年間その人に合わせた支援を集中的に行うのが特色で、2015年以来5人を支援してきた。

次世代に残せる未来を創出するためには、組織は社会の発展に寄与する事業を行うと同時に、収益を上げて組織の持続性を確保することも必要だ。そのためわれわれ自身も研修プログラムやコンサルティング、環境配慮型ホテル運営といった収益事業を展開し、支援先による収益事業の立ち上げや賛助会員の獲得もサポートしている。

■ インパクト・ヒーローによる取り組み事例

事例1「マーシャル諸島を気候変動による水没から守る次世代環境リーダーの育成」
ジョージクム代表・キャシー・ジェトニル=キジナー氏
気候変動
海の豊かさ
陸の豊かさ

マーシャル諸島は気候変動の影響で国土が海に沈みつつあり、海水による塩害で2030年には居住不可能になる事態も想定されている。そこで、私は人々の心にこの問題を訴えかけるべく、詩を媒体に情報発信してきた。

さらにEarth Companyの支援を得て若者向けの教育拠点を設け、リーダーに必要な素養、気候変動に関する体験をアートで表現する手法、ソーシャルメディア等による情報発信の方法を教えている。このような教育を通じて、環境問題に取り組む次世代のリーダー育成に努めている。

事例2「自然との共存による東ティモールの持続可能な発展」
ルブロラ・グリーンヴィレッジ代表・ベラ・ガルヨス氏
貧困
教育
ジェンダー

東ティモール独立運動に関わった後、次世代リーダーの育成と女性の地位向上を通じて国を変えようと思い、Earth Companyの支援を得て環境学校を設立した。特に女性が経済的に自立できるよう、オーガニック農法やビジネス展開の手法を学べる機会を設けている。また、活動を持続できるよう飲食業やエコツーリズムといった収益事業も実施している。

さらに現在はLGBT啓発活動にも携わっている。当事者は貧困や教育の問題を抱えていることが多く、女性の地位向上と同様、教育や職業訓練の提供を通じて課題解決にあたっている。

【SDGs本部】

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