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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年4月1日 No.3494 解説 株式会社の各種書類に関する経団連ひな型改訂〈3〉 -金融商品の時価および新型コロナ関係の開示

経団連は3月9日に、会社法施行規則・会社計算規則等の改正を踏まえた「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型」(以下、ひな型)の改訂版を公表した。

第3回は、会社計算規則の改正を踏まえたひな型改訂のうち、「金融商品の時価の開示」(「連結計算書類」の「金融商品に関する注記」に追加)および「新型コロナウイルス感染症関係の開示」(「計算書類」「連結計算書類」の「その他の注記」に追加)について解説する。

■ 金融商品の時価の開示

「金融商品に関する注記」は、重要性の乏しいものを除き、①金融商品の状況に関する事項②金融商品の時価等に関する事項③金融商品の時価の適切な区分ごとの内訳等に関する事項――について、各社の実情に応じて、必要な記載をする。今般の会社計算規則の改正では③が盛り込まれた。

③について、「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」において「金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項」として注記を求められる事項であったとしても、各社の実情を踏まえ、連結計算書類において当該事項の注記を要しないと合理的に判断される場合には、当該事項について注記しないことも許容される。

こうしたことから、ひな型では、「金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項を記載しない記載例」「金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項も記載する記載例」の2つの例を用意したので、各社の実情に合わせて活用してほしい。

■ 新型コロナ関係の開示

企業会計基準委員会が公表した「会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方」では、会計上の見積りを行う際の仮定についての情報を適切に開示することを要請していることから、ひな型でも、下記のような開示例を示した。

[新型コロナウイルス感染症の記載例]

当社グループは、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響を受けており、今後、〇年の〇〇頃まで影響が続くものと見込み、その後、徐々に回復に転じるものと仮定して有形固定資産の減損処理、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。なお、新型コロナウイルス感染症の広がりや収束時期等の見積りには不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの仮定と異なる場合があります。

なお、当該開示は、会社計算規則第116条(その他の注記)として記載するほか、会社計算規則第102条の3の2(会計上の見積りに関する注記)として記載することも考えられる。

【経済基盤本部】

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