
ダガシュ氏
経団連では、企業行動・SDGs委員会経団連1%(ワンパーセント)クラブ(福田里香座長)を中心に、国連の人道支援機関と連携・協力している。3月19日、国連世界食糧計画(WFP)のラニア・ダガシュ・カマラ事務局次長、サミール・ワンマリ アジア太平洋地域局長が来日し、経団連を訪問するとともに、国連機関の活動に協力する経団連会員企業幹部らと懇談した。概要は次のとおり。
ダガシュ氏らは、「WFPは国連最大の人道支援機関である。われわれが使命としている『Saving Lives, Changing Lives(飢餓から救う。未来を救う。)』は、単に飢餓にあえぐ人命を救うだけではなく、生活を立て直し、繁栄につなげていくことを重視している機関であることを示している。世界中で2万2400人のスタッフが活動しており、パレスチナ・ガザやアフガニスタンのように通信もままならない紛争地域でも人道支援や生活再建に従事している。食料などの支援物資の提供に加え、コミュニティの強化や物流の向上、学校給食など、多角的な支援を行っている。例えば、厳しい立場に置かれている女性たちにデビットカードで現金を支給することで、社会や家族のなかで弱い立場の女性が金融サービスにアクセスし、かつ、預金を始めることを後押ししている」などと説明した。また、テクノロジー、物流分野など、日本企業とのパートナーシップを構築できる分野が多岐にわたることを強調し、パートナーシップの強化を呼びかけた。
企業側からは、「イノベーティブな技術分野ではどのような貢献ができるか」「紛争地域で中立を維持しながら支援をするにはどうしたらよいか」「生活再建に向けた車やバイクの提供、ロジスティクス構築支援などで貢献を続けていきたい」といったコメントがあった。
WFP側は、「WFPと協働することで、企業も人道・開発支援分野において自社技術、製品やサービスの試用を促し、新たな市場を開拓する機会を提供できる」「紛争地域でもWFPは中立で迅速な人道支援ができる」「すでに企業の皆さまが取り組んでいるように、支援の方法はさまざまであり、われわれもさまざまな機会を提供するよう努める」と発言し、「今後も日本企業との連携、協力関係を深めていきたい」と締めくくった。
【ソーシャル・コミュニケーション本部】