池辺会長(中央右)と南場副議長(同左)
経団連と九州経済連合会(九経連、池辺和弘会長)は10月7日、ピッチイベント「KIX-Regional in Fukuoka」を福岡市内で開催した。
「KIX-Regional」は、経団連が「Keidanren Innovation Crossing (KIX) 」で構築してきたスタートアップとのネットワークを活用し、全国各地の企業とスタートアップの連携を促進する目的で新たに立ち上げたピッチ・ネットワーキングイベントである。
本会合はその第1回であり、九経連会員企業を中心に大企業やスタートアップ等から約120人が参加した。
齊藤昇スタートアップ委員会企画部会長による開会に続き、池辺九経連会長および南場智子審議員会副議長・スタートアップ委員長があいさつした。
■ ベンチャークライアントモデル
スタートアップピッチに先立ち、スタートアップと大企業との協業手法の一つであるベンチャークライアントモデル(VCM)について、デロイトトーマツベンチャーサポートの宮澤嘉章パートナー兼インダストリー&ファンクション事業部長からその目的やプロセスを、オプティムの八尋新平ビジネスDX本部サブマネージャーから事例紹介をそれぞれ聴いた。
スタートアップ連携手法におけるVCMの位置付けをはじめ、その実行プロセス、実際の協業事例に至るまでの詳細に触れた。
■ スタートアップピッチ
続くピッチでは、AIやデジタルをテーマに、経団連会員のスタートアップ、これまでにKIXに登壇したスタートアップ、九経連推薦のスタートアップ計10社が登壇し、自社の強みを紹介するとともに大企業に連携を呼びかけた。登壇者は次のとおり。
- (1)尾上剛 アジラ代表取締役CEO兼COO=独自技術である行動認識AIを用いたプロダクト(AI警備システム等)の開発
- (2)永田健太郎 ALGO ARTIS社長=電力・製造・物流等、複雑な運用計画の最適化ソリューションの提供
- (3)大植択真 エクサウィザーズ常務取締役COO=独自開発のAIを用いた社会課題解決サービスの提供
- (4)瀧本朋樹 コースタルリンク代表取締役=港湾・船舶間の通信をデジタル化することにより海上での通信環境を提供
- (5)山本茂 セーフィー営業本部副本部長=クラウド録画サービスの開発・運営と映像データを活用した現場デジタルトランスフォーメーション(DX)
- (6)野澤比日樹 ZENKIGEN代表取締役CEO=採用DXサービスの提供と採用業務の一貫した支援
- (7)黒瀬康太 フツパー取締役兼COO=自動化・省人化・スマートファクトリー化を導入から実践まで支援
- (8)原崎芳加 LAplust創業者兼COO=画像解析AIツールを用いたAIの検証から運用までのコストと時間を最小化
- (9)市來和樹 Ridge-i常務取締役兼カスタムAIサービス事業部長=生成AI、画像解析AI、データサイエンス、衛星画像解析の領域でのAIの提供
- (10)高木博史 LiLz取締役CFO=点検AIと電源レス完全無線型IoTカメラの提供により現場を支援
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ピッチ終了後のネットワーキングでは、登壇者と大企業関係者らが活発に交流した。
KIX-Regionalの第2回は12月10日、関西経済連合会との共催により、大阪で開催する予定である。
【産業技術本部】
