経団連によるセミナーを開催
11月10~22日、ブラジル・ベレンで、国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)が開催された。経団連からは、環境委員会の手塚宏之国際環境戦略ワーキンググループ座長、饗場崇夫地球温暖化対策ワーキンググループ副座長らが参加し、日本経済界のグリーントランスフォーメーション(GX)や気候変動対策に関する取り組みについて発信するとともに、日本政府代表団や各国経済団体等と意見交換を重ねた。
■ COP30の主な成果
COP30では、国が決定する貢献(NDC、いわゆる削減目標)を踏まえたさらなる温室効果ガス排出削減(緩和)、気候変動影響による被害の回避・軽減(適応)、資金のあり方などについて議論された。
会期末には「パリ協定10年の評価」「交渉から実行への移行」「実施・連帯・国際協力の加速」を柱とする「グローバル・ムチラオ(注1)決定」が採択された。
同決定では、緩和について、NDC未提出国に早期提出を促すとともに、その提出を支援する枠組みの創設が盛り込まれた。
適応については、「UAE―ベレン作業計画」(注2)に基づく指標の策定が引き続き検討されることとなった。資金については、2035年までに適応資金を少なくとも3倍に増やす努力が呼びかけられたほか、気候資金に関する2年間の作業計画の立ち上げが決定された。
このほか、気候変動に関する一方的な貿易制限的措置に関する対話の実施が盛り込まれた一方、化石燃料からの脱却や工程表作りに関する直接的な記載は見送られた。
■ 経団連の主な活動
会期後半の19日、日本エネルギー経済研究所(IEEJ)と地球産業文化研究所(GISPRI)と共に、会場内のジャパン・パビリオンで「グリーントランスフォーメーション~成長、エネルギー安全保障、脱炭素化の鼎立」をテーマにセミナーを開催した。
冒頭あいさつで手塚座長は、多様な道筋に基づく現実的なトランジションの重要性を強調した。
来賓として登壇した石原宏高環境大臣は、アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)の枠組みの重要性と日本企業への期待を表明した。
経済産業省イノベーション・環境局GXグループの福本拓也審議官は、GX推進に向けた日本政府の取り組みを説明した。
そのほか、参加した企業関係者および有識者から、鉄鋼、建設、自動車業界での取り組みやトランジション・ファイナンスの動向が紹介された。
その後のパネル討議では、トランジションに資する製品・技術等の普及に向けた政策やファイナンスのあるべき姿、国際連携のあり方などについて議論が行われた。
会期中には、諸外国の気候変動対策に関する最新動向を把握すべく、海外経済団体の幹部らと懇談した。ビジネスヨーロッパ(BusinessEurope)、米国国際ビジネス評議会(USCIB)、ブラジル全国工業連盟(CNI)、インド工業連盟(CII)などと、各国の取り組み状況について意見交換するとともに、GXに向けたわが国企業の取り組みについて発信した。
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26年のCOPはトルコ・アンタルヤで開催される(交渉議長国はオーストラリア)。
(注1)ポルトガル語で「協働」の意
(注2)COP28(アラブ首長国連邦〈UAE〉・ドバイ)で設定された七つの分野別目標と四つの適応サイクル別目標について、進捗を測る指標を検討するための作業計画
【環境エネルギー本部】
