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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2026年1月29日 No.3715 経団連フォーラム21・経団連グリーンフォーラム拡大講座 -筒井経団連会長、五箇国環研特命研究員が講演

経団連事業サービス(筒井義信会長)は12月9日、東京・大手町の経団連会館で、次代を担う経営リーダー育成を目的とする年間講座「経団連フォーラム21」とミドルマネージャー対象の年間講座「経団連グリーンフォーラム」の拡大講座を開催した。

フォーラム21のチーフアドバイザーを務める筒井経団連会長・日本生命保険特別顧問、国立環境研究所生物多様性領域生態リスク評価・対策研究室の五箇公一特命研究員がそれぞれ講演した。

両フォーラムの今期メンバーと修了生らが、オンラインを含め約180人参加した。概要は次のとおり。

■ 私の経営哲学と理念(筒井会長)

経団連会長に就任して約半年、この間だけでも内外情勢は目まぐるしく変化した。今、各種リスクは巨大化・頻発化するだけでなく、連鎖して影響し合う経済社会の構造へと変化している。

こうした時代には、あらゆるリスクに対してレジリエントな経済社会を構築することが重要で、そのためには潜在成長率の引き上げが不可欠だ。

経団連では、主要政策分野として(1)科学技術立国の実現(2)税・財政・社会保障の一体改革の推進(3)地域経済社会の活性化(4)労働改革(5)自由で開かれた国際経済秩序の維持・強化(6)安価で安定的なクリーンエネルギー供給の確保とグリーントランスフォーメーション(GX)の推進(7)持続的な成長に向けたコーポレート・ガバナンス改革――の七つを掲げ、注力している。

これらの推進に当たり、「中長期の視点」と「日本全体の視点」の二つを大切にし、将来世代への責任を果たしていく。

生命保険会社は、保障と資産運用という二つの機能を有する。私は日本生命の社長時代、第一に、保険会社の根源的な使命である保険金支払いのための自己資本強化と長期的な収益拡大に資する戦略投資、第二に、商品・サービスの多様化や経営基盤拡充のためのグループ事業拡大に取り組んだ。

その際、特に心掛けていたのは、会社が目指す将来像から日常執行へのバックキャストを前提とした「長期ビジョン」、決断したことへの責任を伴う「意思決定」、一体感の醸成につながる「コミュニケーション」だ。

私の職業人生や趣味である時代小説の読書を通じて、リーダーに求められる要件を考え続けてきた。一連の経験を通じ、私は「公正無私」「使命感・責任感」「発信力」「決断力」「統率力」「歴史観」「謙譲の精神」「忍耐力」という経営哲学を持つに至った。

経営とは、垂直時間の歴史、水平時間の経営環境という流れを意識して意思決定することだ。その流れに乗るかあらがうか、あるいは岸に上がり流れを見るか、いずれにしても、意図せず流れに押し流されてはならないという意味で、私は「時勢」を座右の銘としている。

■ 野生生物と人間、どちらが先に滅ぶのか?~自然共生社会の未来(五箇氏)

地球環境問題のキーワードである生物多様性とは、遺伝子の違いから生まれる種の多様性、種が集まって形成される生態系の多様性、さらに地域ごとの気候や環境に応じた景観の多様性までを含む、階層的な概念だ。

生物多様性は、人間が生きるための必須基盤であると同時に、社会や文化の豊かさを育む土台としても重要だ。生物多様性の保全は人間社会が持続するための安全保障そのものといえる。気候変動や新興感染症のリスクが高まるなか、人間が地球上で生き延びるためには、生物多様性の破壊を止め、自然と共生する社会を築かなければならない。

自然共生社会を実現するには、人と動物が「ゾーニング」により正しく共生するとともに、資源搾取型のグローバリゼーションから脱却し、地域を基盤とする持続的社会へと変容させることが重要だ。生物多様性を尊重する社会を築くことは、安定した国造りやグローバリゼーションのカギでもある。

◇◇◇

講演後、フォーラム21の2024年度生による修了レポートのなかから優秀作品として選定された6作が表彰され、続く交流会では出席者が懇親を深めた。両フォーラムの今期メンバーは、26年3月の修了式に向けて引き続き研鑽を積む。

【経団連事業サービス】

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