相川氏
経団連の宇宙開発利用推進委員会企画部会(佐藤智典部会長)と同宇宙利用部会(山品正勝部会長)は12月24日、東京・大手町の経団連会館で、「宇宙活動法の改正」に関する説明会を開催した。内閣府宇宙開発戦略推進事務局の相川祐太企画官から「宇宙活動法の見直しの基本的方向性最終とりまとめ」の説明を聴いた。概要は次のとおり。
■ 宇宙活動法改正の背景と目的
2018年に施行された宇宙活動法は、施行後5年で法律の施行状況について検討を加えることが定められている。近年、宇宙活動を巡る状況は、ロケット打ち上げの多頻度化をはじめ、新たな宇宙輸送形態や多様な人工衛星が出現するなど、多様化、活発化している。
こうした状況を踏まえ、内閣府の宇宙政策委員会では、24年9月から「宇宙活動法の見直しに関する小委員会」で議論を重ね、その結果、現行法では新たな宇宙活動に対応できていないという結論を得た。
経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太方針2025)等でも、次期通常国会への改正案提出を目指すことが決定された。今回の見直しでは、わが国における宇宙活動の安全性を確保し、マーケットの信頼性を高めることで、宇宙産業の発展を後押ししていくための制度インフラの一層の拡充と発展を目的としている。
■ 宇宙活動法見直しの4本柱
見直しの柱は大きく四つに整理される。
第一は、早急に法改正を行うべき事項。具体的には、搭載物のないロケット単体またはダミーペイロード等を搭載する場合を追加することで、ロケットに着眼した規制体系への転換を図り、多様なロケット打ち上げ形態に対応できるようにする。
人工衛星の多様化に即した規制の範囲と内容は明確化する。現行法で人工衛星の定義に該当しない物体(モニュメント等)も規制対象に含める。その際、こうした物体が落下した場合の公共の安全確保や、宇宙空間の汚染等のリスクにも対応しつつ、軌道上での活動の活性化を目指す。
第二は、施行規則や審査基準の改正等により実現を図るべき事項。まず有人宇宙ロケットは、公共の安全を確保する観点から、リスクを承知し、訓練された関係者が搭乗した際の対応を整理する。将来的な旅客輸送は官民で知見を蓄積する。
サブオービタル飛行等は公共の安全確保に関する推奨事項をまとめた手引書を作成する。ロケットの再使用段等は、降下・回収地点周辺の公共の安全を確保するための安全基準等を明示的に規定する。
第三は、早急に法改正を行うべきもののさらなる論点整理が必要な事項。再突入に関しては、許可の取得時期、終了措置との関係、国外制御の取り扱い等が、サブオービタル飛行等の規律に関しては、現行の規制体系との関係や第三者損害賠償制度のあり方等が該当する。
第四は、さらなる検討が必要な事項。日本人および日本法人による日本の領域外での活動の他、産業界から要望があった許可手続きの簡素化・迅速化だ。
当面は運用の改善等に努めるとともに、包括許可制度の導入については、少なくとも打ち上げ実施者の安全確保能力を担保する仕組みが必要となる。近年は同型のロケットで類似の搭載物を打ち上げる場合など、審査内容が重なる部分があることから、ガイドラインの修正や運用のさらなる効率化を図っていく。
【産業技術本部】
