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月刊 経団連

月刊 経団連2020年5月号

特集 Society 5.0時代の災害対策のあり方

巻頭言

常態化する想定外と企業の役割

國分文也 (経団連審議員会副議長/丸紅会長)

2020年は、多くの人々にとって想定外の状況となった。日本では、56年ぶりに東京にオリンピック・パラリンピックを迎え、さまざまなイベントが盛り上がりを見せているはずだったが、現実は予期せぬ方向に進んだ。

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特集

Society 5.0時代の災害対策のあり方

近年、わが国において、台風による大規模水害や地震等、さまざまな自然災害の規模・頻度が増している。早急に従来の想定を再検証し、災害対策のあり方についてあらためて検討しなければならない。政府、自治体には、人口動態やSociety 5.0をはじめとする今後の社会像を踏まえ、公共事業の経済性に配慮しつつ、老朽化したインフラの整備も含めた災害対策の強化を行うことが求められる。一方、経済界としても、事業活動の維持継続や早期復旧に向けた体制整備に万全を期すとともに、新たな災害対策技術の開発・社会実装に取り組む必要があろう。本座談会では、Society 5.0時代の災害対策のあり方を展望するとともに、今後、政府・経済界に求められる取り組みを整理する。

座談会:Society 5.0時代の災害対策のあり方

  • 山内 隆司 (経団連副会長、社会基盤強化委員長/大成建設会長)
  • 柄澤 康喜 (経団連審議員会副議長/三井住友海上火災保険会長)
  • 鈴木 英敬 (三重県知事)
  • 家田 仁 (政策研究大学院大学教授)
  • ■ 自然災害の規模・頻度の増加を踏まえた対応
  • 人間、社会の変化にあわせて災害対策を更新せよ
  • 伊勢湾台風から60年
    ─教訓を活かし「防災の日常化」を進めたい
  • 激甚化した自然災害が頻発し保険金支払額が急増
  • 「新たなステージ」に対応した防災・減災が必要
  • ■ 災害対策の強化と経済性の両立の重要性
  • 人口動態を踏まえた適切なインフラの整備が必要
  • 転換期の災害対策、課題を克服するために
  • お客様の防災・減災を促進する知見・ノウハウ提供も存在意義の1つ
  • 「命を守ること」と経済性の両立を実現するために
  • ■ 企業・自治体に求められる役割
  • テクノロジーを活用した防災・減災システム
  • 地方の中小企業の防災・減災をサポートしたい
  • 公共事業のやり方を変えなければイノベーションは生まれない
  • 建物の耐震化を促進するための工夫が必要
  • ■ 今後の経団連の活動への期待
  • 地方のリーダーたちと連携を
  • 三重県は「戦略的不平等」で官民連携を進める
  • 災害対策は競争領域ではなく協調領域である
  • 先人の知恵や経験から学ぶことを忘れるな

わが国の国土強靱化に向けた取り組み
 宮崎 祥一(内閣官房国土強靱化推進室内閣審議官)

  • 国土強靱化基本計画
  • 防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策
  • 国土強靱化関連予算
  • 地方公共団体・民間企業による国土強靱化の取り組み

データを活用した防災まちづくり
 北村 知久(国土交通省都市局長)

  • 頻発・激甚化する自然災害に対応した「安全なまちづくり」
  • 都市構造可視化ツールの活用による防災まちづくり
  • スマートシティの推進

東京都の災害対策における民間企業との連携
 小林 茂(東京都危機管理監)

  • 東京を襲う多様な災害
  • 都の災害対策の3本柱「自助・共助・公助」
  • 企業との連携
  • Society 5.0時代に向けて

災害対応の強化に向け企業に求められる役割
 髙橋 孝一(SOMPOリスクマネジメント首席フェロー)

  • 事業継続とは
    ~災害時に製品やサービスの供給責任を果たすこと
  • BCP(事業継続計画:Business Continuity Plan)を活かすには
    ~事業継続力が必要
  • 大企業の役割はステークホルダーと連携したBCMの構築
  • 新型コロナウイルス対応

インフラの強靱化に先端ICT技術を
 藤野 陽三(城西大学学長)

  • インフラとは
  • 災害大国日本
  • インフラの強靱化に向けて

風水害被害に対する防災対策の積み重ねと効果
―大雨による「災害」は増えているのか
 牛山 素行(静岡大学防災総合センター教授)

  • 短時間の激しい大雨の増加
  • 風水害による被害の経年変化
  • ハザードマップの重要性
    ~洪水・土砂災害は「起こり得るところで、起こり得ることが発生する」

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一般記事

各州知事および連邦議会議員と対話
―NGA冬季会合にミッション派遣
 早川 茂(経団連副会長、アメリカ委員長/トヨタ自動車副会長)
 永野 毅(経団連アメリカ委員長/東京海上ホールディングス会長)

  • 州として、パートナーである日本企業が必要とする人材育成に取り組むことを約束
  • 気候変動・エネルギー分野における日本企業の技術を通じた貢献に期待
  • 米国の強硬な対中姿勢は継続

【提言】
Society 5.0の実現に向けた規制・制度改革に関する提言

―2019年度経団連規制改革要望
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/023.html
 筒井 義信(経団連審議員会副議長、行政改革推進委員長/日本生命保険会長)
 山本 正已(経団連行政改革推進委員長/富士通取締役シニアアドバイザー)

  • 提言取りまとめの経緯
  • 提言の構成と特徴
  • 革新的な技術・潮流に関する象徴的な要望

【提言】
戦略的なインフラシステムの海外展開に向けて

―2019年度版提言を公表
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/024.html
 飯島 彰己(経団連開発協力推進委員長/三井物産会長)
 遠藤 信博(経団連審議員会副議長、開発協力推進委員長/日本電気会長)

  • Society 5.0時代のインフラシステムの海外展開
  • インフラシステム受注拡大に向けた具体的な要望
  • 今後に向けて

【提言】
EdTechを活用したSociety 5.0時代の学び ~初等中等教育を中心に

―テクノロジーで日本の教育を変える
http://www.keidanren.or.jp/policy/2020/022.html
 小宮山 利恵子(経団連イノベーション委員会企画部会エドテック戦略検討会座長
/リクルートマーケティングパートナーズ スタディサプリ教育AI研究所所長/東京学芸大学大学院准教授)

  • 求められる資質・能力と望ましい学び
  • 必要な環境整備

日露地域交流の拡大と深化に向けて
―日本ロシア経済合同会議をモスクワで開催するとともにニジニ・ノヴゴロド州を視察
 朝田 照男(経団連日本ロシア経済委員長/丸紅特別顧問)

  • レシェトニコフ経済発展大臣と初めての懇談(2月18日)
  • 活況を呈した合同会議(2月18日)
  • ニジニ・ノヴゴロドで大歓迎を受けた経団連一行(2月19日)
  • 団長総括
    ~主な成果と今後の取り組み

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