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月刊 経団連 座談会・対談 日本のコンテンツ産業の飛躍に向けて

中山 淳雄
エンタメ社会学者/Re entertainment代表取締役

岡本 美津子
東京藝術大学副学長・同大学院映像研究科教授

赤松 健
参議院議員/漫画家

村松 俊亮
経団連クリエイティブエコノミー委員長
ソニー・ミュージックエンタテインメント社長

南場 智子
経団連副会長、クリエイティブエコノミー委員長
ディー・エヌ・エー会長

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コンテンツ産業は、創造性とデジタルの時代において高い潜在力を持つ成長産業である。日本はこれまで、漫画・アニメ・ゲーム等、世界のコンテンツ市場で高いシェアを誇ってきたが、世界的な競争激化の中、優位性を失う可能性がある。
こうした中、経団連は2022年6月にクリエイティブエコノミー委員会を新設し、2023年4月に提言 「Entertainment Contents ∞ 2023 ─Last chance to change─」 を公表した。同提言では、世界における日本発コンテンツのプレゼンスを持続的に拡大する、という目標を掲げ、人への投資が生命線であるという観点から、人材育成、海外展開、拠点整備など五つの具体的な施策を提示した。
本座談会では、日本のコンテンツ産業が直面する課題、特に制作や教育の現場から見た人材育成に関わる論点、産学官それぞれの役割と連携などにつき議論する。

南場 智子 なんば ともこ
経団連副会長/クリエイティブエコノミー委員長
ディー・エヌ・エー会長

1986年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。1990年、ハーバード・ビジネス・スクールにてMBAを取得し、1996年、マッキンゼーでパートナー(役員)に就任。1999年にディー・エヌ・エーを設立し、現在は会長を務める。2015年から横浜DeNAベイスターズオーナー。著書に『不格好経営』(日本経済新聞出版)。

村松 俊亮 むらまつ しゅんすけ
経団連クリエイティブエコノミー委員長
ソニー・ミュージックエンタテインメント社長

1987年、CBS・ソニーグループ(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)入社。2002年、ソニー・ミュージックレコーズ執行役員専務。2008年ソニー・ミュージックエンタテインメント コーポレイト・エグゼクティブ レーベルビジネス第1グループ代表。2015年、同社取締役。2020年から現職。現在、ソニーグループ上席事業役員、日本レコード協会会長を兼任。

赤松 健 あかまつ けん
参議院議員/漫画家

1993年に漫画家デビュー。講談社の少年向け漫画雑誌で28年間連載を継続。Japan Expo 2015など海外のイベントにゲスト出演多数。東京大学、東京藝術大学、早稲田大学等の教育機関にてコンテンツや著作権についての講義を行う。2022年から参議院議員を務める。日本漫画家協会常務理事、デジタルアーカイブ学会評議員、Jコミックテラス取締役。主な作品に『ラブひな』(第25回講談社漫画賞・少年部門受賞)『魔法先生ネギま!』など。

岡本 美津子 おかもと みつこ
東京藝術大学副学長・同大学院映像研究科教授

1987年にNHK入局。2008年に東京藝術大学大学院教授に就任。2017年から現職。大学活動の傍ら、プロデューサーとしてNHK・Eテレ「2355」「0655」などを制作。東京藝大「ゲーム専攻」の設置プロジェクトやデジタル技術とアートの融合「アートDX」の推進にも関わる。

中山 淳雄 なかやま あつお
エンタメ社会学者
Re entertainment代表取締役

東京大学社会学修士、カナダ・マギル大学経営学修士。ディー・エヌ・エーなどを経てバンダイナムコスタジオで海外ゲーム開発会社を設立。ブシロード執行役員を経て、2021年7月から現職。事業家(エンタメ専業の経営コンサルタント)、研究職(早稲田大学大学院博士・慶應義塾大学非常勤講師・立命館大学研究員)、政策アドバイザー(経済産業省コンテンツIPプロジェクト主査)等を兼務、コンテンツの海外展開をライフワークとする。

岩村 有広 いわむら ありひろ
司会:経団連常務理事

  • ■ コンテンツ市場の変化と日本の現状・課題
  • 日本の基幹産業としてのコンテンツ産業への期待
  • ■ 今、何をなすべきか ─人への投資が生命線
  • 制作・教育現場における人材育成の課題
  • グローバルな知見のある人材の受け入れ体制
  • 才能ある若手クリエイターが世に出るための支援体制
  • ■ 日本のコンテンツ産業が目指すべき姿と必要な施策
  • 匠の才能を活かしながら産業としての安定化を図る
  • 海外展開における知財管理の課題
    ─良貨をもって悪貨を駆逐する
  • ■ それぞれが果たすべき役割と連携のあり方
  • 立場を超えた分野横断的な連携
  • コンテンツを超えた波及効果による産業化
  • 教育・制作・娯楽が集約された象徴的拠点の整備
  • クリエイティブ産業の空洞化を防ぐためのアーカイブ構想
  • 有機的な相乗効果で世界に日本発コンテンツを発信
  • コンテンツ産業自体のステータス向上を

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