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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2014年5月29日 No.3178 フィリピンの労働情勢と労務管理上の課題を聞く -矢野・東芝コンピュータテクノロジー社長から/雇用委員会国際労働部会

経団連は19日、都内で雇用委員会国際労働部会(谷川和生部会長)を開催した。当日は、矢野義行・東芝コンピュータテクノロジー社長から、「フィリピン労働情勢と人事労務管理における具体的な取り組みと課題」について講演を聞いた。

矢野氏は、フィリピンにおける現地法人である東芝情報機器フィリピン社(以下TIP社)で通算9年にわたり経営に携わった経験を紹介した。まず、フィリピンの国民性に触れ、親日的な国民であること、語学力(英語が公用語)にも優れ、優秀で学習能力が高い点などを評価。また、若年者を中心とした層の厚い労働力人口が大きな魅力であることも指摘した。

そのうえで、良好な労使関係を構築するにあたり、TIP社として、マネジメントのオープン化とフラット化を重視、具体的な取り組みとして経営指標を明確化し各階層の従業員を巻き込むかたちでPDCAサイクルを回し、情報共有の取り組みを推進したことなどに触れた。

また、従業員とのコミュニケーションを深化・緊密化させるため、社長自身が日々、現地従業員との対話の時間を設けていることを紹介。対話の機会は、経営側と現地従業員双方の悩みや問題意識を共有し、円滑なマネジメントにつなげるために非常に有効であったと述べた。

また、社内機関誌、従業員用意見箱、人事関連のホームページなどのツールも活用しており、それらの媒体等を通じて寄せられた意見には、スピードをもって回答・対応し、双方向のコミュニケーションを促進することで従業員の納得感を得ていくことが重要であるとした。

さらに、フィリピンの現地従業員は、会社が自らの成長をどの程度支えてくれるかについて関心が高く、人材育成の仕組みを構築し従業員をサポートしていくことが、従業員の定着に向けて重要であることを強調した。TIP社としても、経営のローカル化を進める観点から、例えば、ローテーションで複数部門を経験させるほか、グローバルな観点からのマネジメント教育や各階層別の研修に力を入れているとの説明があった。

【国際協力本部】

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