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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2015年7月9日 No.3231 ネパールでの支援活動と今後の課題を聞く -ネパール地震支援活動報告会を開催

1%(ワンパーセント)クラブ(佐藤正敏会長)では4月25日にネパールで発生した地震の被災地支援を目的に、日本赤十字社とジャパン・プラットフォームと連携して寄付を呼びかけてきた。そこで6月22日、3団体の共催のもと、東京・大手町の経団連会館で「ネパール地震支援活動報告会」を開催し、現地で支援活動に参加した関係者などから、これまでの支援活動と今後の課題などについて説明を受けた。説明の概要は次のとおり。

■ 日本赤十字社
(説明=成田裕資組織推進部長、佐藤展章国際救援課長、杉本憲治名古屋第二赤十字病院国際医療救援部長)

地震による死者はネパールだけで8700人を超え、全壊家屋は54万棟に上る。また、がけ崩れによって道路が寸断し、初期の救援活動に支障が出た。

これまでに日赤に寄せられた救援金額は個人・企業あわせて約11億2000万円に上る。日赤は震災発生直後から緊急対応医療班(ERU)を派遣し、カトマンズから約2時間半のところに位置するメラムチ村で医療活動に従事した。現地では診療所での診察のほか、巡回診療、学校向け健康教育などの地域保健活動、被災者への心のケアを行った。

今後対応すべき課題として、(1)山岳地域への援助の不達(2)熱波による被災者の疲弊(3)雨季到来に伴う感染症のおそれ――が指摘されている。

日赤の保健医療支援活動は発災から3カ月間継続する予定だ。また、国際赤十字では2年間で110億円規模の支援計画を立てている。今後も赤十字の枠組みを活かしながら、効率的・効果的・シームレスに緊急救援と復興活動を実施したい。

■ ジャパン・プラットフォーム
(説明=柴田裕子ジャパン・プラットフォーム海外事業部長、橋本笙子ADRAJapan理事・事業部長、熱田典子アジア協会アジア友の会副事務局長)

今回、ジャパン・プラットフォームへの寄付は約2億円に上った。政府資金も活用しながら6カ月間で4億円という規模の支援プログラムを組み、現在、14の参加団体が23事業を展開している。

ADRAJapan(アドラ・ジャパン)とアジア協会アジア友の会は、共に震災前から長年ネパールで支援活動を行ってきた経緯があり、地元の活動拠点の存在や現地の人々と築いてきた信頼関係が今回の支援活動に役立った。

これまで活動してきた地域を中心に、ADRAJapanでは食料や医療テント、仮設シェルター資材等を配布してきた。今後は学校の仮設校舎の建設支援や灌がい施設の整備も行う。アジア協会アジア友の会も食料やビニールシートの配布、仮設校舎の建設を行ってきている。

今後の課題として、田植えの遅れにより将来の穀物不足が懸念されている。また、雨季の激しい雨風をしのぐ強固なシェルターが必要だ。さらに、仮設校舎の建設が追いつかず、子ども達の学習環境整備も遅れている。

◇◇◇

説明者からは、多くの企業からの寄付に対し、感謝の言葉が述べられた。1%クラブでは現在も支援の呼びかけを行っており、引き続きの支援へのご理解・ご協力をお願いしたい。

【政治・社会本部】

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