経団連自然保護協議会(二宮雅也会長)は2月7日、東京・大手町の経団連会館で、同協議会が事務局を務める「生物多様性民間参画パートナーシップ」の第6回会員会合を開催した。同協議会の会員企業や同パートナーシップの会員組織(企業・団体、NPO、環境省など)から130名を超える参加を得た。
第1部では冒頭、二宮会長が開会あいさつを行った。二宮会長は「企業や団体は、生物多様性に十分配慮した事業活動を進めていかなければ、継続的な発展はもちろん、持続可能な社会の実現に貢献することはできない」と述べ、生物多様性の主流化を目指す愛知目標や、その内容を多く取り込んでいる国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献するため、会員企業、関係機関、NGOと連携しつつ、今後さらに取り組みを強化していく」との方針を示した。また、同協議会が昨年11月に発表した「創設25周年特別基金助成事業」の応募状況や、経団連会員企業を対象に実施した「生物多様性に関するアンケート」(別掲)などについて紹介した。
続いて、環境省の正田寛大臣官房審議官が来賓あいさつを行った。正田審議官は2016年12月にメキシコで開催された生物多様性条約第13回締約国会議(COP13)や同サイドイベントの成果などについて説明し、同協議会による「創設25周年特別基金助成事業」など関係組織の連携・協力を通じて、より一層生物多様性保全に向けた取り組みが強化されていくことへの期待を示した。
その後、国際自然保護連合日本委員会の渡邉綱男会長が「2020年愛知目標、2030年SDGsとパートナーシップ」をテーマに講演を行い、愛知目標達成へ向けて「にじゅうまるプロジェクト」の取り組み状況と、2030年に向けて、SDGsや気候変動に関するパリ協定と連動した取り組みの重要性について展望を述べた。
さらに、環境省自然環境局生物多様性地球戦略企画室の中尾文子室長が、「生物多様性条約COP13の成果と今後に向けて」と題して説明を行った。また、国際自然保護連合日本リエゾンオフィスコーディネーターの古田尚也氏(大正大学地域構想研究所教授)から、今年度から、パートナーシップ会員企業に加え経団連会員企業も対象に実施した「生物多様性に関するアンケート2016年度調査結果」のポイントなどについて報告があった。
第2部では、ファシリテーターを務めた東北大学大学院の香坂玲教授から「世界農業遺産での地域の取組から」について話題提供があった後、「わが社のイチオシ活動」をテーマに企業事例の紹介を行った。今年度は、同協議会が実施した環境基礎講座参加企業のなかから、日本電信電話、ブラザー工業、ジェイアール西日本コンサルタンツの担当者が登壇した。
同協議会の石原博企画部会長による趣旨説明の後、3社から、本業のなかで生物多様性の保全に取り組んでいる好事例について発表があり、その後、活発な質疑応答が行われた。
【環境エネルギー本部】