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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2017年12月7日 No.3342 榊原会長記者会見

経団連の榊原定征会長は12月4日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

榊原会長は冒頭、品質管理に関する不適切な事案が続いていることは、わが国企業の国際的な信用、国民からの信頼を損ないかねない重大な事態で、重く受け止めていると述べた。そのうえで経団連としてまず、不正事案の調査、法令・契約遵守の徹底を会員企業・団体に呼びかけ、法令違反などの行為が確認された場合には、「企業行動憲章」にのっとり、速やかな公表を求めるとともに、経営トップ自らが問題解決、原因究明に取り組むよう徹底していくと表明。わが国企業の信頼・信用の回復に全力を挙げて取り組んでいく決意を示した。

春季労使交渉については、経済の好循環をまわし経済再生を実現するため4年連続の賃金引き上げを実施しており、このモメンタムを維持していくことが重要だと指摘。安倍総理が示した3%賃上げへの期待をはじめ社会的要請を踏まえ、多様な賃上げや処遇改善に向けた具体策を示し、労使間の議論を促していくとした。賃金の決定はあくまで個社の判断によるものだが、経済の好循環、とりわけ消費の活性化に向けて、賃金引き上げに前向きに対応するよう呼びかけていくと述べた。あわせて政府には、将来不安の払拭に向け、社会保障制度改革、財政再建をしっかりと進めるよう働きかけていくとした。

事業主拠出金の増額要請については、消費税率10%への引き上げを大前提に、就労継続や仕事と子育ての両立支援を後押しする観点から協力を表明したと説明。拠出金は3千億円を上限とし、保育所の整備状況に応じて段階的な拠出とするよう求めた。企業はすでに4千億円を拠出、追加分3千億円を合わせ7千億円の負担となると述べ、労働保険料率の引き下げなど負担軽減策の検討、負担感の重い中小・零細企業に対してさまざまなかたちでの配慮を求めた。

税制改正をめぐっては、2014年度の法人実効税率は34.62%、現在は29.97%、来年度29.74%となり、引き下げの効果は大きいと述べた。他方、米国やフランスで引き下げが検討されていることに言及。米国の法人税改革について、下院案では18年、上院案では19年から、35%から20%に引き下げられることになっており、米国で活動する日本企業には直接的な恩恵となるとした。そのうえで国際競争力を維持しつつ、日本の事業環境を諸外国に遜色ないものとして魅力を高めていくため、経団連は一貫してOECD諸国並みの25%程度まで引き下げるよう主張しており、その旗を降ろすことなく継続して取り組んでいくと述べた。財源については税収中立の考えのもと課税ベースが拡大され尽くしているが、真水での減税を提案していきたいとした。現在賃上げや設備投資に積極的な企業への軽減策を措置する方向で検討が進んでおり、実効税率換算で25%程度まで引き下げられれば大きなインセンティブになると述べた。

【広報本部】

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