経団連の日本・香港経済委員会(永易克典委員長)は3月4、5の両日、香港で第38回日本・香港経済合同委員会を開催した。日本側から二重孝好委員長代行はじめ33名が、香港側からは香港・日本経済委員長のビクター・チャ委員長はじめ21名が参加した。
会議の開会にあたりあいさつしたチャ委員長は、香港にとって日本は第4位の貿易パートナーであり、日本とは最も成功している貿易関係にあると述べたうえで、香港は法の支配、強固な知的財産保護、効率的な規制など「世界で最も自由な経済」を今後も継続していくと強調した。これに対し二重委員長代行は、日本と香港の経済関係は一層緊密化しており、香港への進出日系企業数は約1400社と、中国企業に次ぐ第2位となっていると述べたうえで、自由で開かれた国際経済秩序のもとに繁栄してきた日本と香港が連携して保護主義に対抗することは、相互の利益にかなうとした。
会議ではまず、「経済の最新動向」と「自由で開かれた経済交流の推進」をテーマに議論。香港側からは、香港、マカオおよび珠江デルタの9都市で構成される大湾区計画の紹介があり、香港は、金融・物流・貿易の中心として、中国市場と海外市場を結ぶプラットフォームの役割を強化していく旨の説明があった。
日本側からは、香港は中国ビジネスのゲートウエーとして重要性が高まっていることを指摘したうえで、こうした香港の強みを活かして、研究開発やスタートアップ企業との協力をさらに進め、大湾区の経済発展にも貢献したいと応えた。
その後、具体的な分野として「AI」と「スマートシティ」「フィンテック」を取り上げ、日本と香港間の協力の可能性などについて議論を行った。
会合終了後に開催された昼食会では、ポール・チャン香港特別行政区政府財政長官が講演し、自由市場経済と独立した司法制度を有する香港の優位性を強調し、香港への日本企業のさらなる投資を呼びかけた。
【国際協力本部】