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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年11月28日 No.3433 イノベーション・ノルウェーのハウグリCEOとの懇談会を開催 -スタートアップの振興や貿易協定の締結に向けた日本の協力を期待

発言するハウグリCEO

経団連は11月8日、東京・大手町の経団連会館でイノベーション・ノルウェーのホーコン・ハウグリCEO一行との懇談会を開催した。経団連側からは越智仁副会長・ヨーロッパ地域委員長、清水章ヨーロッパ地域委員会企画部会長らが出席した。

ハウグリCEOは、ノルウェーにおけるスタートアップの特色について説明するとともに、日本と同国の貿易協定の締結に向けた期待を示した。発言の概要は次のとおり。

■ スタートアップの振興

ノルウェーは、主要産業である石油・ガスの輸出に国家財政を依存しており、世界最大の政府運営基金(ソブリン・ウェルス・ファンド)の資金源としている。しかし、石油・ガスの収入への依存から脱却する財政基盤を確立し、次世代の福祉国家体制を維持するため、政府機関であるイノベーション・ノルウェーは、スタートアップに対する資金の提供や助言などを行って産業を創出している。スタートアップの商業化を成功させるため、公的機関や企業との協力を促進する政府のプログラムがあるほか、大学にも技術オフィスを置いて、公的資金を活用して商業化を図っている。

スタートアップが長期的に成長して国際的に活躍するためには、海外の資本にアクセスすることが必要である。そこで、東京にオフィスを設けて、養殖業、海洋エネルギー、運輸、健康・福祉など、ノルウェーの伝統産業を中心としたイノベーションの振興に向けて日本企業からの投資を誘致している。

例えば、ノルウェーのスタートアップが、顔認証システムにより養殖用のサケを認証し病気の個体を識別して隔離するための技術を開発した。すでに日本企業がノルウェーの最大の養殖企業を買収した例もあり、日本企業のバリューチェーンとノルウェーの技術を活かしている。このように両国企業の強みを活かした協力を推進したい。

■ 日本とノルウェーの貿易協定

日本とノルウェーは基本的な価値観を共有し、国際貿易の重要な相手国である。貿易・投資関係の拡大に向けて、両国間で貿易協定を結びたいと考えており、経団連に協力をお願いしたい(注)。日本の市場でノルウェーの企業がEU加盟国の企業と対等に競争するために、貿易協定の範囲は日EU EPA(経済連携協定)と同様のものにすることを想定している。

(注)日本としては、ノルウェーとEPAを締結する場合、例えばエネルギー安全保障の観点から石油・ガスの安定的供給について定めることが有益だろう

【国際経済本部】

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