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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年2月20日 No.3443 生物多様性に関するアンケート〈2019年度調査結果〉を公表

経団連は2月18日、経団連自然保護協議会(二宮雅也会長)と共同で、「生物多様性に関するアンケート<2019年度調査結果>」を公表した。

同調査は、2010年に名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(CBD・COP10)で採択された「愛知目標」、とりわけ「生物多様性の主流化」の状況を把握すべく、11年度から毎年度実施している。今年度調査には、昨年度より29社増の340社から回答が寄せられた。調査結果の主なポイントは次のとおり。

■ 日本経済界の「生物多様性の主流化」はこの10年間で大きく進展

20年は愛知目標の最終年であり、10月に中国で開催されるCBD・COP15で「ポスト愛知目標」の採択が予定されている。そこで、今年度の調査は、2つの観点から実施した。

第一に、生物多様性の主流化に向けた日本経済界の取り組みの集大成として、愛知目標採択前の09年といまを比較し、10年間の取り組み成果を国内外に発信することである。第二に、18年10月に改定した「経団連生物多様性宣言・行動指針」への各社の取り組み状況を把握し、ポスト愛知目標に向けた課題を抽出することである。総じて、日本経済界の「生物多様性の主流化」は、この10年間で大きく進展したといえる。

  1. (1)「経営方針等に生物多様性保全の概念を盛り込んでいる企業」「生物多様性に関する行動指針等を自社独自で作成している企業」「生物多様性に関する情報公開を行っている企業」のいずれも、この10年間で倍増している。

  2. (2)事業活動に伴う生物多様性への影響に関する「把握・分析・評価」を行う範囲について、本社の事業活動が57%、グループ企業の事業活動が43%、サプライチェーンが24%となっており、一層の拡大が課題である。

  3. (3)事業活動に伴う生物多様性への影響についての「把握・分析・評価」や具体的な活動内容について意思決定する会議体は、「サステナビリティ委員会等の社内専門委員会」が66%と最も多く、その責任者は、経営トップあるいは担当取締役とする企業が8割を超えている。

  4. (4)一方で、「経団連生物多様性宣言・行動指針(改定版)」の第1条に「経営者の責務」として盛り込まれた、「経営層自らの言葉による社内外への情報発信」や「ステークホルダーとの対話」については、実施企業はそれぞれ5割に満たず、今後、経営トップのリーダーシップが期待される。

■ より多くの主体的活動を期待

生物多様性の取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)の複数のゴールに貢献することにつながる。「経団連生物多様性宣言・行動指針(改定版)」や調査結果を参照のうえ、自社・グループのみならずサプライチェーンを視野に入れ、生物多様性保全に向けた取り組みに役立てていただきたい。

【環境エネルギー本部】

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