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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年2月20日 No.3443 アルジェリア情勢等をめぐり髙橋中東アフリカ局長との懇談会を開催 -日本アルジェリア経済委員会

経団連の日本アルジェリア経済委員会(佐藤雅之委員長)は2月4日、東京・大手町の経団連会館で、髙橋克彦外務省中東アフリカ局長から、最近のアルジェリア情勢等について説明を聞くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 大統領選挙の結果

アルジェリアでは、政権の腐敗に対する不満等から、昨年2月以降、毎週金曜日に若者を中心としたデモが発生。旧体制の一掃を要求していた。そうしたなか、約20年間長期政権の座にあったブーテフリカ大統領は次期大統領選挙への不出馬を表明したが、その後辞任した。

昨年12月、2度の延期を経て行われた大統領選挙において、テブン元首相が当選した。同氏が旧体制下で閣僚として実施した汚職対策による清廉潔白なイメージが奏功したとの見方がある。低投票率を問題視する向きもあるが、日本を含む国際社会は選挙結果の有効性を認めている。デモは沈静化しつつあるものの、引き続き情勢を注視していく必要がある。

新政権は国民対話を通じ、憲法改正に取り組むとしている。その骨子は、市民権の強化、汚職対策、権力分立、議会の政府に対する監視機能強化等であり、近く草案が提示される見込みである。

■ 経済と外交

アルジェリアは伝統的に外交に強い。テブン新大統領は就任早々、関係各国がリビア情勢に関して協議を行うベルリン会議に出席するなど、存在感を示している。

経済については、内政の混乱もあって公共事業や建設業が停滞。外資の自動車工場が生産停止となるなど低迷しており、立て直しが急務である。新政権は、アルジェリアの発展を阻害してきたさまざまな課題に対応する姿勢を示している。例えば、炭化水素や金融など主要産業分野を除き、外資規制を見直すとしている。かつて同様の制度が導入されたものの、後に撤回されたことから、今後の動向が注目される。

日アルジェリア関係では、二国間投資協定の締結に向けて、新政権との交渉を再開したい。

■ 北アフリカ諸国の現状

アルジェリアが今後潜在力を発揮するためには、周辺国を含む治安の安定が重要な課題となっている。

モロッコは王制のもと比較的安定しており、チュニジアもアラブの春を経てテロ対策へ注力し、状況の改善がみられる。

リビアでは、2015年に政治合意が成立した。しかしながら、その後国民統一政府(GNA)とリビア国軍(LNA)との対立が激化している。諸外国はそれぞれの思惑から各陣営に支援を行っており、混沌とした状況が継続すると予想される。リビア情勢は、北アフリカ諸国やサヘル地域等の安定に直結する。国外過激派の動向をにらみつつ、テロ対策がしっかり行われ、情勢が安定することを期待したい。

【国際協力本部】

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