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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年10月1日 No.3469 経団連企業人政治フォーラム講演会を開催 -甘利衆議院議員が講演

経団連企業人政治フォーラム(大塚陸毅会長)は9月11日、都内で講演会を開催し、自由民主党税制調査会長、新国際秩序創造戦略本部座長を務める甘利明衆議院議員から、当面の重要政策課題について講演を聴いた。概要は次のとおり。

自民党の新国際秩序創造戦略本部は、コロナ後の世界に向け、今から準備をしておかなければ遅きに失するとの問題提起をしている。

パクス・アメリカーナによる世界の安定と平和はまだかろうじて機能しているが、今般のコロナにより、米中間の力の差が一挙に縮まった。国際秩序が不安定になれば、米に次ぐパクスを担おうと考える国の主張が激しくなり、世界を動かす全く別物の仕組みができあがるかもしれない。そして、その仕組みがわれわれの価値観と相いれないことも想定される。そうだとすれば、われわれは価値観を共有する国々と連帯し、自らの価値観に基づいて世界を動かす仕組みを構築していくべきである。

同本部では、先般、党の政務調査会に中間取りまとめを提出し、コロナ禍を通じて日本社会の脆弱性を洗い出したうえで、これに対する処方箋を早急につくって社会にビルトインすべきと主張した。日本はデジタル化を進めてきたつもりだが、実は進んでいなかった。その原因は、「ベンダーロックイン」という言葉に象徴されるように、それぞれのシステムが特定のベンダーに依存せざるを得なかったことにある。われわれの提言を受け、骨太方針2020には、「ベンダーロックインを廃し、オープンアーキテクチャを活用」と盛り込まれた。今後これを実施するには、「デジタル庁」のような、省庁、業界を横串でつなぎ指揮権を発動する組織が必要となる。

そのうえで、これから国や企業のカップリングやデカップリング、サプライチェーンをどう考えていくかが最大の関心事になる。アメリカを中心とするサプライチェーンを組むとすれば、データや情報が洩れないことを担保するため、経済界においては強固なサイバーセキュリティの装備が重要となる。また、企業の研究開発に携わる研究者が他国の諜報機関に関係しているかどうか身辺調査する仕組みとして、民間事業者に対するセキュリティクリアランス制度が必要となる。同制度の創設はわれわれ政治の課題であり、早急に取り組むべき旨を提言している。

11月3日には米国大統領選挙が行われる。これまで安倍総理は、外交能力に加え国際政治において必須である持ち前のユーモア感覚やその人柄も相まって、トランプ大統領と良好な関係を構築してきた。バイデン氏とトランプ氏のどちらが当選するにしても、今後、外交はしっかりとしたチームを組んでいかないといけない。中国が「デジタル人民元」構想を進めるなか、われわれとしては米国ドル経済圏が維持されることが望まれる。日本は外貨建ての対外純資産が多いことなどから、円が世界で安全通貨と認識されている。こうした日本の強みについても活かしながら、国際的に指摘されている債務体質の改善などを、成長戦略を織り込みながら図っていくことが重要である。

【総務本部】

経団連企業人政治フォーラム(Keidanren Political Forum)のご案内

大臣や主要な政治家、有識者を招いた講演会の開催などを通じ、企業人の政治参加意識の高揚と、企業人と政治とのコミュニケーションの促進に務めています。
企業人の声で政治を変えるために、皆さまのご参加をお待ちしております。

◆ 入会のご案内は、ウェブサイトをご参照ください
URL: http://www.bpf.jp/

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