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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年3月25日 No.3493 「日インドネシアは相互連携構築の重要パートナー」

佐藤氏

経団連は3月5日、オンライン会合を開催し、JETROアジア経済研究所の佐藤百合上席主任研究員から、インドネシア経済の展望とASEANにおける役割について説明を聴くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ インドネシア経済も新型コロナにより打撃

新型コロナウイルス感染症により、2020年のインドネシア経済は22年ぶりのマイナス成長となった。情報通信業は高成長だったが、運輸業や製造業は打撃を受け、この20年余り改善傾向にあった失業と貧困は悪化した。ジョコ大統領は、政権第1期に目標に大きく届かなかった経済成長、製造業の成長、地域間格差の縮小について、第2期に優先的に取り組んでいるものの、新型コロナの影響で目標達成には困難が予想される。

■ インドネシアの強みと課題

世界第4位の人口(20年に2億7020万人)、30年代まで続くとみられる人口ボーナスは、インドネシアが世界10位内の経済規模を実現し得る強みとなる。しかし、人口規模を活かすには格差や貧困の改善が前提であり、人口ボーナスを活かすには労働力化のための教育や雇用機会の創出が課題になる。

インドネシアの豊富な資源は強みであると同時に、課題も提起する。00年代の資源ブーム期には十分な産業政策が実施されず、脱工業化(オランダ病)が起きた。資源ブーム後の10年代に政府は産業政策を開始。これに伴い日系企業の貢献が大きい自動車や脂肪酸(オレオケミカル)などが10大輸出品目に入ってきた。現在は新興サービス産業化と、資源加工を含む再工業化が同時に進む局面にある。また、世界最大の島嶼国家であることも豊かさのひとつだが、地域間格差の是正、島々から産出される資源の加工による付加価値の創出、そして環境ガバナンスが大きな課題になる。

■ ASEANにおいて存在感を発揮。日本との連携可能性

超大国のはざまで揺れ動く東南アジア諸国は、ASEANとして一つにまとまることで交渉力を持ち、「ASEAN中心性」を発揮しようとする。東南アジアの基幹産業の一つは、再生産可能な食料・商品作物などのアグロ資源の活用であり、食用・産業用・エネルギー用の加工資源供給を通じて、地球規模の食糧問題や環境問題に貢献できる。インドネシアもアグロ資源産業に強みを有する。人口、経済規模ともにASEANの約4割を占め、域内政治で重要なリーダーシップを取り続けるだろう。

日本企業は、インドネシアとの相互補完性を活かすことで連携できる。日本の優位分野での現地生産・輸出・人材育成、インドネシアの優位産業への技術協力、教育や環境などインドネシアの問題解決への貢献などが考えられる。世界最大のムスリム人口を擁するインドネシアとは、中東・アフリカなど第三国に向けた連携も有効だろう。他国との競争が激化するなか、日本は安心して頼れる長期のパートナーであることをもっとアピールできる。

【国際協力本部】

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