経団連は3月31日、「経団連低炭素社会実行計画」2020年度フォローアップ結果総括編<2019年度実績>[確定版]を取りまとめ、公表した。
経団連は、1997年に環境自主行動計画を策定し、各業種・企業における主体的かつ積極的な取り組みを推進してきた。2013年には、同計画をさらに進化させたかたちで、4つの柱から成る経団連低炭素社会実行計画(実行計画)を策定し、CO2排出量の削減に取り組んでいる。
総括編[確定版]では、全62参加業種のフォローアップ調査の結果を報告した。概要は次のとおり。
■ 第一の柱=国内の事業活動における排出削減
19年度のCO2排出量は、わが国の排出削減目標の基準年度である13年度比、全部門(産業、エネルギー転換、業務、運輸部門)で減少した(図表1参照)。これにより、電力配分後の全部門合計のCO2排出量は、13年度比、約10.7%減となり、6年間で約1割減少した(図表2参照)。
その要因としては、再稼働した原子力発電設備の継続運転、再生可能エネルギーの導入拡大、最新鋭の高効率火力発電設備の導入によるエネルギーの低炭素化が寄与したほか、設備効率化等の省エネ努力や経済活動量の低下も影響した。
また、事業活動の低炭素化に向けて、太陽光、水力、バイオマスを中心とした再生可能エネルギーによる発電設備の導入、製造時の排熱等からエネルギーを回収する取り組みも進展している。
■ 第二の柱=主体間連携の強化
次世代製品・サービスの製造・提供段階において、従来型よりCO2排出量が増加しても、使用段階で排出量を大幅に削減できれば、バリューチェーン全体での排出量の減少につながる。今回の調査では、多様な業種から、こうした取り組みの例が報告された。
■ 第三の柱=国際貢献の推進
地球規模での排出削減に向けて、わが国経済界は、優れた省エネ・低炭素技術の海外移転と普及を通じて貢献している。これらをさらに後押しすべく、削減貢献量を定量化する取り組みも拡大している。
■ 第四の柱=革新的技術の開発
中長期の温室効果ガスの大幅削減に向けて、革新的技術・サービスの開発が進められている。なかでも、開発が長期にわたり、民間企業だけではコミットが難しい研究開発は、政府と連携して取り組んでいる。
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各業種からの報告[個別業種編]ならびに第三者評価委員会による評価報告書も同日公表した。
【環境エネルギー本部】