1. トップ
  2. Action(活動)
  3. 週刊 経団連タイムス
  4. 2021年4月22日 No.3497
  5. 個人データの適正利用に向けたシンポジウムを開催

Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年4月22日 No.3497 個人データの適正利用に向けたシンポジウムを開催

経団連は3月30日、個人データの適正利用に向けたシンポジウムをオンラインで開催した。経団連では、2019年10月に「個人データ適正利用経営宣言」(経営宣言)を公表し、経済界として、個人データの適正利用に関する3つの原則を実践することを宣言している。

今般の新型コロナウイルスの感染拡大によって、個人データ活用の前提となる個人の信頼をどのように確保するかという課題があらためて浮き彫りになった。それを踏まえ同シンポジウムは、経営宣言の趣旨等について幅広く周知するとともに、多様なステークホルダーとの対話を通じて個人データ活用に対する社会的な理解の醸成を図ることを目的として開催したもの。

冒頭、篠原弘道副会長(デジタルエコノミー推進委員長)は、「多くの国民は個人データの活用に対し漠然とした不安感を持っている。企業もどのように個人データを扱えばよいのか十分な確信を持てず、データ活用が限定的になっているのではないか。個人データの活用を進展させるためには、企業が社会とコミュニケーションを深めることが不可欠」と述べ、同シンポジウムでの議論を通じて、企業と社会との対話がより一層進展することへの期待を示した。続いて、宍戸常寿東京大学大学院法学政治学研究科教授が、経営宣言の原則1「経営者のアカウンタビリティの確保」について、また、浦川伸一デジタルエコノミー推進委員会企画部会長ならびに佐々木潔ヤフー執行役員チーフ・データ・オフィサーが、経営宣言の原則3「個人データ活用に関する取組みの推進」について、それぞれ講演した。

その後のパネルディスカッション(モデレーター=若目田光生デジタルエコノミー推進委員会企画部会データ戦略ワーキング・グループ主査)では、経営宣言の原則2「個人の安心・安全の確保」をテーマに、企業による主体的な取り組みや消費者との対話の重要性について議論した。谷崎勝教三井住友フィナンシャルグループ執行役専務グループCDIOは、パーソナルデータ利活用にかかる個人の不安とその払拭へ向けたSMBCグループの取り組み等について、佐脇紀代志個人情報保護委員会事務局審議官は、個人データの保護に向けた政府の施策について、永井朝子Business for Social Responsibilityマネージング・ディレクターは、信頼獲得に向け企業に求められるステークホルダー・エンゲージメントのあり方等についてそれぞれ紹介した。

最後に、個人データの利活用に関する疑問について生活者が考えるうえで役立つ情報を紹介する「個人データの利活用に関する生活者の疑問について考える(中間まとめ)」について、経済広報センターの渡辺良専務理事・事務局長が説明した。

◇◇◇

経団連は、個人の安心・安全を担保しながらデータ活用を進めることで中長期的な企業価値の創造に寄与すべく、引き続き経営宣言を広く周知するとともに、多様なステークホルダーと積極的に対話していく。

【産業技術本部】

「2021年4月22日 No.3497」一覧はこちら