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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年7月22日 No.3508 全米各州探訪(3)~ニュージャージー州、ニューヨーク州、デラウェア州 -新・ワシントンレポート<3>

本連載では、米国をより深く知るため、広大な米国を構成する50州+1特別区の情報を順次ご紹介します。

7.ニュージャージー州

州の大部分が隣接州の大都市圏(東のニューヨーク州ニューヨーク市と西のペンシルベニア州フィラデルフィア市)に属する。ニューヨークの名を冠するプロのアメリカンフットボールチームが、実は2球団ともニュージャージー州内に本拠地を置いている点にも、州の土地柄が感じられる。面積は50州中47位ながら人口では11位である。人口密度は50州で最高の1平方キロメートル当たり約390人と、日本の全国平均(同約340人)を上回る。

19世紀にはエジソンが研究拠点を置き、20世紀にはアメリカに移住したアインシュタインが居を構えた地である。その印象にたがわず、医薬、化学といった科学技術産業が発達している。

また、高速道路と鉄道が高密度に整備されていることや、全米の人口の4割が車で1日以内の移動圏内に集中していることが強みとなり、物流・運送業や小売業も盛んである。

大西洋に面したアトランティックシティには統合型リゾートが整備されている。1976年、州の住民投票により同市でのカジノの合法化が承認され、ラスベガスに次ぐ大規模統合型リゾートが開発された。その後は、米国東部で同様の開発が進んだことで競争が激化しており、現在も一定の存在感を保っているものの、往時ほどではなくなっている。なお、ボードゲーム「モノポリー」に登場する通りの名前は市内に実在するものである。

8.ニューヨーク州

大西洋沿岸に米国最大の都市ニューヨーク市を擁し、同市内に州人口の4割が集中する。一方、同市は面積でみると州の1%にも満たない。同州の領域は内陸部にも広がっており、北方の州境はカナダおよび五大湖(オンタリオ湖・エリー湖)と接している。

州都はバーモント州とマサチューセッツ州との州境に近いオルバニーである。ニューヨーク州に限らず、米国では多くの州で州都と最大都市とが一致していない(50州中33州で不一致)。

州GDPは約1.8兆ドルで、カナダのGDPにほぼ等しい。米国内ではカリフォルニア州、テキサス州に次ぐ第3位である。ウォール街に象徴される金融業が極めて重要な産業となっているほか、貿易・物流、小売業等も盛んである。

東京都とニューヨーク市は1960年から姉妹都市として連携している。これは東京都が結んでいる12の姉妹都市のうち最古のものである。

連邦議会には上院民主党を率いるチャック・シューマー多数党院内総務(Majority Leader)を送り込んでいる。

9.デラウェア州

1999年に発行された25セント硬貨のうち、
デラウェア州をモチーフとしたものには
「THE FIRST STATE」の刻印がある

1787年12月7日、独立13州のうち最も早く合衆国憲法を批准した州。そのため、かねて「一番目の州(The First State)」とも呼ばれており、2002年からは公称している。

経済面でデラウェア州を特徴付けるのは、企業の登記上の本社が非常に多く設置されている点である。Fortune 500選出企業の6割超がデラウェア州法人であり、州の法人数は100万超と、自然人の人口(約97万人)を上回る。

その背景には経営者の裁量を広く認める州会社法の存在がある。州政府は同法について、投資家保護のための必要最小限の規制を設けたうえで、株主と会社に最大限の柔軟性を与える観点から策定しているとする。また、州高等裁判所はビジネス関連訴訟の判例を豊富に有していることから、係争時の予見可能性にも優れるとみられている。

多くの法人の設立を誘致していることにより、州の歳入に占める法人ライセンス収入の割合は約4割と、所得税に並ぶ二大収入源となっている。

【米国事務所】

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