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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2021年11月11日 No.3521 宇宙産業、大学、スタートアップの連携 -宇宙開発利用推進委員会企画部会・宇宙利用部会

経団連は10月22日、宇宙開発利用推進委員会の企画部会(原芳久部会長)と宇宙利用部会(田熊範孝部会長)の合同会合を開催し、東京大学空間情報科学研究センターの柴崎亮介教授から、大企業と大学発スタートアップの連携を行う宇宙サービスイノベーションラボ(SSIL)の活動について説明を聴いた。またSSILに参加しているスタートアップ12社(下記参照)から、事業概要について説明を聴くとともに、大企業との連携に向けて意見交換した。柴崎氏の説明の概要は次のとおり。

SSIL参加企業と登壇者一覧

SSILは、衛星から得られるデータなどを解析し、民間企業や公的機関に活用してもらうために必要な知識や技術・サービスを一気通貫で提供するために発足した事業協同組合である。東京大学における宇宙を社会基盤として使う取り組みと、東京大学、慶應義塾大学、東京海洋大学などが合同で宇宙人材を育成するプログラムの2つが合流して、SSILの設立に至った。

大学発のスタートアップでは、資金に限界があり、企業や行政組織にアプローチして製品を知ってもらうことが難しい。各大学はスタートアップの起業を支援するが、一緒に営業までは行ってくれない。

SSILでは、大学の垣根を越えて、スタートアップ群から相乗効果のあるチームを組んで、民間企業や顧客にサービスや製品を提案する。スタートアップがチームになることで、競争的研究資金や補助金の獲得も容易になる。

宇宙分野の人材育成も重要である。CEO(最高経営責任者)などの候補を育成する教育、先端技術の研究、宇宙を活用して課題を解決する実践の3つをエコシステムとして、人材育成に貢献していく。

事業分野としては、衛星画像解析、超小型衛星、高性能ドローンの高度利用などがある。今年10月現在、事業化の対象として12のプロジェクトが候補として挙がっている。例えば、多様な衛星やセンサのデータを共同で活用して、データ処理や解析サービスの実現を目指している。

【産業技術本部】

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