経団連の観光委員会(菰田正信委員長、新浪剛史委員長、武内紀子委員長)は、11月4日に東京都立大学、12日に立教大学との間で「経団連観光インターンシップ産学合同報告会」を東京・大手町の経団連会館で開催した。
同委員会では、産業横断的な視点で観光全体にイノベーションを起こす人材を「高度観光人材」と位置付け、その育成に向けて、2011年度から立教大学、14年度から東京都立大学との連携のもと、経団連会員企業の講師による講義と体験実習による実践的な教育機会を提供している。
今年度は、東京都立大学から11名、立教大学から19名が受講した。プログラムの内容は、コロナ禍を踏まえ、オンラインも活用し、講義と4日間の体験実習、武内委員長の講演会と両大学合同のワークショップで構成。一連の活動の集大成となる同報告会は、受講生と企業関係者が参加した。
冒頭、主催者を代表して今泉典彦観光委員会企画部会長があいさつ。「コロナ禍で観光のあり方が大きく変化するなかでは、柔軟な発想が必要である。経団連インターンシップでの経験を活かし、高度観光人材として活躍してほしい」と、受講生への期待を述べた。
両大学がそれぞれテーマとプレゼンテーション形式を設定して、受講生が成果を発表するとともに、企業関係者との間で意見交換した。東京都立大学は、ポスターセッション形式により、受講生が取りまとめた実習先企業と観光業界への提言について、参加者へプレゼンテーションを行った。立教大学は、スライドを映写しながら、実習先企業へのビジネスプランを提案した。企業関係者からは、SNSをはじめデジタルツールを活かしたデータ収集能力、実現可能な事業を提案する企画力、資料と説明の簡潔さなどのプレゼンテーション能力について、評価する声が多く上がった。
来年度も、両大学との連携のもと、同プログラムを継続する予定である。準備が整い次第、観光委員会委員企業を対象に参画を募集することとしている。
インターンシップ受け入れ企業(8社)は次のとおり(五十音順)。
▽ANA総合研究所▽サントリーホールディングス▽東京地下鉄▽東武鉄道▽東日本旅客鉄道▽藤田観光▽三井不動産商業マネジメント▽森トラスト・ホテルズ&リゾーツ
【産業政策本部】