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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年4月6日 No.3586 マコーリフ元バージニア州知事と懇談 -アメリカ委員会

マコーリフ氏

経団連のアメリカ委員会(早川茂委員長、植木義晴委員長)は3月8日、テリー・マコーリフ元バージニア州知事の来日の機会をとらえ、東京・大手町の経団連会館で懇談会を開催し、日米の政治・経済関係等について説明を聴いた。概要は次のとおり。

■ 日米貿易強化の重要性

環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に不参加の米国にとって、日本や他のアジア諸国との貿易機会を拡大する方法を見つけることは不可欠である。これは、市場の拡大や各国の経済成長だけにとどまらず、同地域で増す中国の影響力に対抗するためにも重要である。

元バージニア州知事として、貿易が米国の経済と雇用創出にとっていかに重要か、身をもって知っている。州知事時代には、州内の民主・共和両党と協力し、グローバル市場におけるバージニア州企業の貿易機会の拡大に尽力した。さらに、州の港湾への投資や主要国の貿易事務所への新規資金提供に取り組んだほか、日本を含む世界各地へ30回以上貿易ミッションを派遣した。この結果、バージニア州の市場の開拓や輸出拡大、海外からの直接投資の増加につながり、失業率も低下した。全米知事会会長の任期中には、自由で公正な貿易を推進するため、適切な環境基準と労働基準を規定する通商協定の締結を提唱した。

市場アクセスの拡大は、日米両国に利益をもたらすとともに、世界における両国の経済的地位をさらに強化するものである。日米両国が協力し、市場アクセス拡大の機会を見いだすことを期待する。

■ 日米同盟の重要性

ロシアによるウクライナ侵略に対し、北大西洋条約機構(NATO)が団結して対処していることを評価する。ロシアが撤退するまで、ウクライナ支援は継続すべきであり、民主主義国の連携が求められる。

さらに、中国の領有権主張や人権侵害の問題に対応するためにも、日米をはじめとする同盟国の連携が不可欠である。その点、日韓が関係の改善に尽力していることは意義深く、また日米がいまだかつてなく強靱な同盟関係を築いていることを歓迎する。

また、冨田浩司駐米日本大使とラーム・エマニュエル駐日米国大使が、東京とワシントンDCで、日米同盟の強化に向けて尽力していることを賞賛する。両氏ともに優れた外交官であり、私の友人でもある。彼らが各国の代表であることは、日米両国にとって非常に幸運である。

■ 日本企業の米国への投資

日本の米国に対する直接投資残高は3年連続世界一であり、これは日本の米国への信頼の証しであると喜ばしく思う。

CHIPS法は、米国内での半導体の開発やAI、量子コンピューター、通信技術などへの投資を支援するものであり、約500億ドルの予算が投じられている。また、道路や橋、鉄道など老朽化したインフラを刷新するインフラ投資法も成立しており、これらは、日本企業にとっても大きな投資の機会となるだろう。日本企業によるさらなる投資拡大と雇用創出を期待する。

【国際経済本部】

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