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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年4月27日 No.3589 高度外国人材の受け入れにかかる新たな制度 -産業競争力強化委員会外国人政策部会

経団連は3月28日、産業競争力強化委員会外国人政策部会(毛呂准子部会長)をオンラインで開催した。経済産業省の太田三音子技術・人材協力課長と法務省出入国在留管理庁の礒部哲郎政策課長から、4月21日に施行された「特別高度人材制度」および「未来創造人材制度」について説明を聴くとともに意見交換した。概要は次のとおり。

■ 制度創設の経緯

政府では関係省庁の連携のもと、優れた知識・技能を有する高度外国人材が活躍できる社会に向けて、取り組みを進めている。そうしたなか、2022年9月に開催された教育未来創造会議において、岸田文雄内閣総理大臣は関係閣僚に対して、高度外国人材の受け入れを促進する新たな制度の創設を指示した。そこで経産省において、外国人を雇用する企業から現行の受け入れ制度に関する評価や意見を聴取し、それらを踏まえて出入国在留管理庁が制度設計を進め、「特別高度人材制度」「未来創造人材制度」を創設した。

■ 特別高度人材制度

特別高度人材制度は、高度外国人のなかでも、極めて優れた能力のある人材の受け入れを促進する制度である。さまざまな項目によって総合評価される現行のポイント制度とは異なり、学歴または職歴と年収が一定水準以上であれば、高度専門職1号を付与する。また、本来3年在留した後に認められる高度専門職2号への移行も、1年での移行を可能とした。さらに、現行のポイント制度で受けられる優遇措置に加えて、新たな優遇措置も認めている。具体的には、外国人家事使用人の雇用人数を2人まで可能にすることや、配偶者が就労できる職種の大幅な拡大、空港における入国管理のプライオリティーレーンの使用許可である。

■ 未来創造人材制度

未来創造人材制度の目的は、将来有為な人材として活躍が期待されるポテンシャルの高い若者を早期に呼び込み、日本で就職・起業してもらうことである。これまで、海外大学・大学院を卒業・修了した外国人が日本で就職活動する際、90日間の短期滞在を認めていたが、同制度によって、最長2年間にわたり、日本で就労しながら就職活動や起業の準備をすることが可能となった。この適用を受ける主な要件としては、代表的な三つの世界大学ランキングのうち、二つ以上で100位以内の大学・大学院を卒業・修了していること、卒業・修了から5年以内であることなどが挙げられる。

多くの高度外国人材が今回の制度を活用できるよう、関係省庁や日本貿易振興機構(ジェトロ)、在外公館等を通じて、海外大学等で広報活動に取り組む。企業の皆さまにも積極的に制度を活用してほしい。

◇◇◇

説明後の意見交換では、参加者から、高度外国人材誘致のためには、在留資格制度の整備、税制の見直しや生活環境の整備、異文化・多様性への理解の向上といったさまざまな施策が求められることを踏まえ、省庁横断的に取り組みを進めるべきとの指摘があった。

【産業政策本部】

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