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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年8月31日 No.3603 デジタル時代の企業間連携に向けたウラノス・エコシステムの動向 -デジタルエコノミー推進委員会企画部会

わが国企業によるデータ利活用が停滞するなか、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて日本の産業競争力強化やSociety 5.0 for SDGsを実現するためには、多様な主体間のデータ連携による価値の協創が不可欠である。

こうしたなか、経団連のデジタルエコノミー推進委員会(東原敏昭委員長、篠原弘道委員長、井阪隆一委員長)は、2023年5月に公表した提言「データ利活用・連携による新たな価値創造に向けて~日本型協創DXのリスタート」を踏まえ、データ連携によりわが国のDXを前に進めるべく検討を深めている。

そこで、同委員会企画部会(浦川伸一部会長)は7月18日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、経済産業省商務情報政策局情報経済課の和泉憲明アーキテクチャ戦略企画室長から、経産省が推進するウラノス・エコシステムについて説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ ウラノス・エコシステムとは

これまで経産省では、産業のDXをはじめ、Society 5.0実現に向けたさまざまな施策に取り組んできた。目下、企業や業界、国境を超えたデータ共有・活用を、産学官で連携しながら実現することが求められている。そこで、アーキテクチャの設計から研究開発・実証、社会実装・普及に至るまでの包括的な政策を、官民連携の象徴としてウラノス・エコシステムと名付け、推進していく。

デジタル時代に価値を創出するためには、既存のビジネススキームを前提とした業務コストの最小化に目を向けるのではなく、システム思考・デザイン思考により抽象度の高いレベルでアーキテクチャを設計し、それに基づいて取り組みを進めることが求められる。経済界には、ウラノス・エコシステムへの参画・準拠により、相互運用性を確保しながらDXを推進してほしい。

■ 具体的な取り組み

23年5月、蓄電池のカーボンフットプリントやデュー・ディリジェンスをユースケースとして、「サプライチェーン上のデータ連携の仕組みに関するガイドライン」を公表した。同ガイドラインは、企業間でサプライチェーン上のデータを共有し活用すべく、拡張性・経済合理性を担保しながら営業秘密の保持やデータ主権の確保を可能とするための仕組みを整理したものである。

今後、蓄電池を先行ユースケースとしつつ、自動車業界全体のトレーサビリティー管理を当面の目標として取り組みを進める。次なるユースケースについては、他業界との連携を念頭に各業界と議論しながら、効果や緊急性を勘案して検討したい。

サプライチェーン上のデータ連携の仕組みに関するガイドラインα版(23年5月)
https://www.ipa.go.jp/digital/architecture/Individual-link/ps6vr7000001m4n6-att/
guideline_for_datacooperation_in_BattCFPDD.pdf

【産業技術本部】

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