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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年9月7日 No.3604 日本・韓国経済委員会を開催 -記念すべき初回会合に尹駐日韓国大使を招請

尹大使

経団連は、5月31日の定時総会において、日本・韓国経済委員会(佐藤康博委員長、岩田圭一委員長)を新設した。グローバルな課題解決に向けた連携・協力の可能性を探りつつ、二国間経済関係の一層の深化に取り組む。

7月31日、活動の皮切りとして、東京・大手町の経団連会館で会合を開催した。尹徳敏駐日韓国特命全権大使から、「急変する国際情勢下の韓日関係」と題して、第二次世界大戦の終結から1965年の日韓国交正常化を経て現在に至るまでの日韓関係の変遷ならびに今後の展望について説明を聴くとともに、意見交換した。説明の概要は次のとおり。

■ 急速に改善が進む日韓関係

日韓両国はしばらく非常に厳しい関係が続いていた。しかし、2023年に入り、尹錫悦大統領が旧朝鮮半島出身労働者問題に関する解決策を示した。岸田文雄内閣総理大臣との間で首脳会談が連続して開催され、約12年ぶりにシャトル外交が再開されるなど、関係改善が急速に進み、日韓関係は本来の姿に戻りつつある。両首脳は、言葉だけでなく行動で示しており、岸田首相の韓国・ソウルの国立墓地訪問や、G7広島サミット時の両首脳による韓国人原爆犠牲者慰霊碑への献花など、韓国の国民に強い印象を与えている。

■ 日韓は価値観と利益を共有。リスクを管理しながら一層の連携協力を

日韓両国は民主主義国として価値観を共有し、米国との同盟関係をはじめ共通する利益も多い。他方、北東アジア情勢は厳しさを増すなど、両国を取り巻く国際環境は大きく変化している。またデジタルトランスフォーメーション(DX)が進展するなかで両国の協力の余地は大きい。これまでのように対立している余裕はない。

日韓関係は、歴史問題に影響される部分が大きい。加害国と被害国とで歴史に関する受け止めが異なり、引き続き慎重にリスクマネジメントをしていく必要はある。良好な日韓関係が両国にとって利益となる構図をつくり出し、国民にもその重要性を丁寧に説明し、理解を得ることが重要である。

■ 日韓関係をアップグレード。次代を担う若者への期待は大

日韓両国の1人当たりGDPは同等となり、将来の二国間関係の発展の方向性として半導体や経済安全保障上の協力を進めることが求められている。日韓関係全体をさらにアップグレードするため、1998年、当時の金大中大統領と小渕恵三内閣総理大臣が公表した日韓共同宣言のバージョン2.0のようなものを作成し、両国関係の発展に向けたロードマップを示していく必要があると考えている。若い世代の交流も積極的に推進し、将来の良好な日韓関係の構築を進めていくことも重要である。

【国際協力本部】

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