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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2023年10月26日 No.3610 私のキャリアの軌跡~挑戦 -第29回リーダーシップ・メンター・プログラムを開催/野田副会長が講演

野田副会長

経団連は9月28日、会員企業各社の女性役員のさらなる活躍を応援する「経団連女性エグゼクティブ・ネットワーク」の活動の一環として、野田由美子副会長(ヴェオリア・ジャパン会長)をメンターに迎え、東京・大手町の経団連会館で「第29回リーダーシップ・メンター・プログラム」を開催した。67人の女性役員が出席し、講演を聴くとともに意見交換した。講演の要旨は次のとおり。

■ 自らの手で道を切り拓く

これまでのキャリアの道のりを三つのキーワードで表現すると、(1)クロスセクター(2)グローカル(3)挑戦――である。バンク・オブ・アメリカでキャリアをスタートし、その後、日本長期信用銀行(長銀)、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)、横浜市副市長、清華大学日本研究センター、そしてヴェオリア・ジャパンと、金融、コンサル、行政、事業会社を経験した。また、ニューヨーク、ロンドン、北京、シンガポールなど諸外国で勤務する一方で、日本にPFI(Private Finance Initiative)事業を普及させるために地方自治体を回り、現在は、地域密着の水道事業やバイオマス事業に携わるなど“グローカル”なキャリアである。さらに、勤務先が破綻したり、改革のさなかに市長が突然退任したり、いばらの道のりだったが、こうした経験があったからこそ、新しい挑戦に立ち向かい、人の歩かない道を切り拓いてこられたように思う。

■ キャリアの原点~日本を再び世界で輝く国に

挑戦を続けてきた根底には、一貫して「なんとか日本を良くしたい」という思いがある。1980年代終わりに「Japan as No.1」と称賛された日本の国際競争力は、バブル崩壊後坂を転げ落ちるように低下し、時価総額世界22位だった長銀も経営破綻した。大きなショックを受けた。なぜ日本の競争力はこれほどまでに低下したのか、日本がもう一度世界で輝くために何が必要なのか。自分自身がどう貢献できるのか、真剣に考えるようになった。この信念はキャリアを通じて揺らいでおらず、官民連携で日本を元気にしようと英国のPFI手法を日本に普及させたり、地方から日本を変えたいと横浜市で改革を推進したり、チャレンジを続けた。この思いは、現在当社で、水・廃棄物・エネルギー事業を通じて、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現に貢献したいと活動していることにもつながっている。

■ 諦めなければ「誰かが手を差し伸べてくれる」

キャリアを歩むなかで、「女性」「中途採用」「民間採用」など、さまざまなマイノリティーの立場を経験したほか、PFI市場や都市ソリューションセンターの立ち上げなど、ファーストペンギンとして挑戦をしてきた。新しいことへの挑戦には、常に困難と抵抗が伴い、理不尽と思うことも多く経験した。それでも、諦めずに頑張っていれば、どこかで誰かが見ていて、手を差し伸べてくれる。だから、今がある。長いキャリアの途上で、さまざまな壁にぶつかったり、時に崖から滑り落ちたりすることもあるが、諦めずに前進してほしい。

◇◇◇

講演後、リーダーシップやその心構え、キャリア形成について活発な意見交換が行われ、野田副会長から多岐にわたるアドバイスが送られた。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】

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