
小平氏
経団連国際教育交流財団(新沼宏理事長)では、経団連会員企業から寄付を得て、「経団連グローバル人材育成スカラーシップ事業」を毎年度実施している。本奨学事業を通じて、将来、グローバルなビジネス領域での活躍を目指すとともに日本の経済社会の発展に貢献する意思もしくはビジョンを有する学生に、海外留学のための奨学金を支給している。
4月3日、2025年度奨学生を対象に「課題共有会」をオンラインで開催した。課題共有会は、奨学生の留学中の学修・経験がより充実したものとなるよう、留学前に各自の抱負や課題を共有し、課題の具体化につなげるために実施している。
留学に関するサポート内容の説明に続いて、グローバル人材戦略研究所の小平達也代表取締役が講演した。小平氏は「頭で考えることに終始せず、日常生活や課外活動で実際に行動し、体感することにより、本質が見えてくる」と訴え、「自分にとっての留学の意味や日本の経済社会との関わり方について考えてほしい」と奨学生を激励した。
続いて、奨学生OB・OGによる、留学の経験や現在の仕事との結び付きなどを語るパネルディスカッションが行われた。OB・OGからは、「留学はあっという間に終わる。やってみたいと思ったことはまず挑戦してほしい」「日々の振り返りを通じて、自分を客観視し、成長につなげてほしい」といった助言が寄せられた。
奨学生とOB・OGとの少人数でのグループ討議では、留学に向けた抱負や課題等のほか、情報収集の手段、近年の円安の影響、現地の人々と交流を深めるために取るべき行動、留学中の就職活動など、幅広いテーマでさまざまな情報交換が行われた。同期の奨学生という縁を生かし、奨学生同士で今後も情報交換を継続し、関係を強めようとする場面も見られた。
最後に、同奨学事業に協力している企業の担当者が、「留学時の経験が自身のキャリアや人生観につながっていくので、現地の人を含め、幅広く交流してほしい」「経団連の奨学生として、日本への貢献を念頭にキャリアを検討しつつ、留学を楽しんでほしい」との言葉を投げかけ、会合を締めくくった。
◇◇◇
同財団では本奨学事業への寄付を募っている。寄付に関する問い合わせは、財団事務局(kyoikuzaidan@keidanren.or.jp)まで。
【教育・自然保護本部】