
カトラブガ大臣
経団連の日本NIS経済委員会(國分文也委員長〈当時〉)は5月28日、モルドバのルドゥミラ・カトラブガ農業・食品産業大臣の来日の機会を捉え、東京・大手町の経団連会館で懇談会を開催した。モルドバ農業の魅力や日本企業に対する期待などについて説明を聴くとともに意見交換した。説明の概要は次のとおり。
■ モルドバ農業のポテンシャル
モルドバの国土は小さいが、農業のポテンシャルには目を見張るものがある。ワイン、プラム、クルミ、サクランボ、リンゴ、アブラナ、ブドウの輸出量は世界トップ20に入る。モルドバの作物は肥沃な土壌と理想的な気候から生まれており、その品質が世界で高く評価されている。
■ モルドバの投資環境
モルドバはEUと東欧市場をつなぐ戦略的に重要な位置にある。勤勉な労働者も有している。さらに、EU、英国、トルコ、独立国家共同体(CIS)諸国を含む40カ国以上と自由貿易協定を結んでいる。この協定を通じた8億人以上の消費者へのアクセスなどを勘案すると、モルドバへの投資妙味は大きい。
モルドバの輸出総額の約40%が農産物である。そのため、モルドバでは、サプライチェーンを多様化・高度化させたいと考えている。モルドバ政府としては、農業、税制、インフラにおける改革を優先課題として取り組んでいる。
■ 日本企業に対する期待
現在、モルドバで活動している日本企業はごくわずかである。また、日本からモルドバへの直接投資も少額にとどまっているが、モルドバ向け投資のポテンシャルは非常に高い。
モルドバが日本企業にとって地域の拠点となり、投資のための安全な空間となり、日本の価値観が根付く場所となることを望んでいる。
私たちは日本の専門知識、技術、規律を必要としている。日本企業にとってモルドバは、誠実で信頼できる意欲的なパートナーになれると確信している。モルドバへの投資を通じて、欧州市場における真の競争力を見いだすことができる。
モルドバの農村開発に対する日本の継続的な支援に感謝している。これからは、日本企業による特に農業・食品分野に対する直接投資によって、日本とモルドバの協力関係を新たなレベルに引き上げたい。
モルドバの企業および政府機関と戦略的パートナーシップを築くことで、投資機会を探ってほしい。
【国際経済本部】